2009.11.12UP
10月10日(土)〜11日(日)
埼玉県の北西部に位置する両神山は、武甲山、三峰山とともに秩父三山に数えられる霊峰だ。その三山のなかで登ってないのはこの山だけだ。今年も武甲山や焼山の山頂から、鋸の歯のような印象的な山容を眺めながら近いうちに登りたいと思っていた。
今回は初めてなので、一般的な日向大谷口からのコースを選択。この地域は交通の便が悪く、日帰りも不可能ではないが、あわただしい山歩きになってしまうので、日向大谷口にある両神山荘に泊まることにした。
土曜日の昼過ぎに横浜を出て、14:48に西武秩父駅に到着。駅からは、石灰岩の採掘のために削り取られた武甲山がよく見える。本数の少ないバスが出るまでにあまり時間はないが、駅からつづく仲見世通りに立ち寄り、梅干、五穀飯(赤米、みどり米、黒米、もち米、押麦)、黒米を購入する。この駅に来たときには、家で食べるためにいつもそれらを買って帰る。山に登る前に余計な荷物を増やすのはもちろんよくないが、帰りだと遅くなって閉店しているかもしれないので仕方がない。我が家のご飯はほとんど雑穀ブレンドである。

西武秩父駅から武甲山を眺める
駅から15:05発のバスに乗り、小鹿野町役場で乗り換え、16:30頃に日向大谷口に到着。車道を登っていくとすぐに両神山荘が見える。登山口はこの民宿の脇からのびている。民宿に着くと、二匹の犬が出迎えてくれた。どこかの山のブログに、民宿の犬が山を案内してくれると書いてあったのを思い出した。

バスを乗り継ぎ両神山荘に到着
この民宿の夕食は、料理の品数の多さに驚かされる。煮物や天ぷらや酢の物や漬物など様々な料理が小皿でずらりと並んでいる。なかでもイワタケ(地衣類の一種らしい)は、食感が独特で、珍味だった。
翌朝は4:30に起床し、水の補給など準備を整え、5:20に朝食の席につく。6:00前には出発の準備が整い、民宿の前でご主人と少し立ち話をする。空はきれいに晴れ渡っている。両神山もこのブログで何度となく触れている狼信仰が根付いている山域にあたり、民宿の玄関には両神神社の「狼の護符」が貼られていた。二匹の犬たちは、すでにこの山に何度か登っているらしい年配の男性二人とともに先に出発した。

両神山荘の玄関に貼られた狼の護符
登山口から歩き出すとすぐに石の鳥居と小さな祠がある。鳥居からのびる参道には丁目石が置かれ、奉納された石像や石碑が目立ち、信仰の山の様相を色濃くとどめている。山腹を巻く道を進んでいくと、民宿の犬たちに出会った。どうやら今日は登るのをやめて、帰ることにしたらしい。

参道の巻き道で犬たちとすれ違う
七沢滝コースとの分岐を過ぎ、沢を何度か渡り、ジグザグに登っていく。巨大な岩の間に石像が立つ八海山で小休止し、急坂を登り、弘法の井戸を過ぎると間もなく清滝小屋に到着する。小屋にあるベンチで休憩していたときに、犬と出発した男性たちと少し話をした。犬たちは戻ってしまっても、別のルートから頂上に現れることもあるそうだ。

八海山に立つ石像
清滝小屋から先は次第に紅葉が目立つようになり、急坂を登って産泰尾根に出たところで少し展望が開け、これから登る山頂が見える。切り立った断崖と色づきはじめた木々と青空のコントラストが美しい。ごつごつした岩場や段差の激しいクサリ場を越えると、両神神社の本社に出る。そのすぐ先には御岳神社の奥社もたっている。どちらの神社も、独特の姿をした狼の狛犬が印象的だ。

産泰尾根から山頂を見上げる

両神神社の本社。すぐそばに御岳神社がある

青空に映える紅葉

本社と山頂奥社の間に立つ石像
山頂の手前には急登やクサリ場があるが、一気に展望が開け目を奪われる。石の奥社がたつ山頂は狭いが、展望は素晴らしい。きれいに晴れてくれたので、富士山も拝むことができた。山頂のむき出しになった岩の上でヤシオツツジが鮮やかに色づいていた。

山頂手前からの展望

山頂直下のクサリ場

山頂に立つ頭のない石仏、神仏分離の傷跡か

山頂からは富士山も見えた

鮮やかに色づいたヤシオツツジ
