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2009.12.10UP

大菩薩嶺に連なる黒川鶏冠山

11月7日(土)

 黒川鶏冠山は、大菩薩嶺から弧を描くように北側に延びる尾根の先にそびえている。この山も大菩薩峠と同じように、マイカーと電車・バスではアクセスに大きな違いが出る。

 マイカーなら青梅街道の最高地点、標高1472mの柳沢峠まで行ける。柳沢峠から六本木峠を経て黒川山までは約2時間、三角点の標高が1710mなので、標高差は250m足らず。楽ではあるが、このコースでは、大菩薩嶺に連なる山に登った気がしないだろう。

 電車・バス利用の場合は、塩山駅からバスで裂石の大菩薩峠登山口(標高900m)まで行く。そこから、大菩薩峠や小金沢山に登るときのように上日川峠には向かわず、林道のゲートにある分岐点から丸川峠に向かう。このコースで黒川山までは、山と高原地図によれば5時間5分。さらに黒川山から鶏冠山まで往復する時間が30分。登山口バス停をだいたい8時にスタートするので、あまりのんびりしていると帰りのバス(16:44か17:10)に間に合わなくなる。

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登山口バス停付近から月を見上げる

 2週間前の小金沢山のときにはあいにくの曇り空だったが、今日はよく晴れている。ブナの巨木や紅葉、巨岩を眺めながら、丸川峠への道を登っていく。上日川峠に向かう道と同じく、気持ちのよい道だ。最後に急な坂を登りきると、開けた丸川峠に着く。気温が高めなのでいくぶんかすんでいるが、富士山も見える。地図で設定された時間よりも40分早く着いた。この丸川峠から大菩薩嶺と黒川鶏冠山を結ぶ尾根に入る。丸川峠は標高1700mで、この先は極端なアップダウンもないので、余裕をもって歩ける。

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丸川峠に向かう登山道に立つブナ

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丸川峠から富士山を眺める

 丸川峠から六本木峠に至る尾根道は、変化に富んでいて面白かった。明るい樹林と積み重なった岩が一面苔に覆われた日陰のエリアが交互に現れる。明るい樹林は半袖のTシャツでなければ暑くて歩けないが、苔のエリアに入ると涼しいというよりは寒く感じる。それは日陰のせいばかりではない。積み重なった岩の下の空洞から冷気が噴出しているのだ。どこか神秘的な雰囲気すら感じる。岩を覆う苔にもいろいろな種類があり、じっくり観察したくなるが、そうゆっくりもしていられない。

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苔を観察する

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苔を観察する

 尾根道が弧を描いているので、六本木峠を過ぎると、それまで後方に見えていた大菩薩嶺が右手に見えるようになる。12時前に黒川山に到着し、空腹だったので先に昼食にする。腹を満たし、紅茶で温まり、鶏冠山に向かう。鶏冠山の山頂は絶壁の上にあり、鶏冠山神社奥宮の祠がまつられている。ごつごつした狭い山頂からは、大菩薩嶺が一望できる。その右奥には富士山が見え、東に目を向けると、奥多摩から飛龍山あたりの山々を見渡せる。

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木立の間から黒川山を見上げる

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黒川山から鶏冠山に向かう

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鶏冠山神社奥宮

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鶏冠山山頂から大菩薩嶺

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山頂から富士山

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奥多摩方面の展望

 下りは同じ道を戻る。あまりゆっくりしていられないが、苔の道に入るとついつい見入ってしまう。そこには引き込まれるような独特の雰囲気がある。丸川峠を過ぎて、急な下りが終わったあたりから、登りのときとは風景の印象が違うことに気づいた。紅葉は終わりかけているのに、妙にきれいに見えると思ったら、夕陽を浴びているからだった。バス停の手前で美しい夕陽を拝むことができた。

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独特の雰囲気がある苔の道

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苔のような、そうでないような

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夕陽を浴びた紅葉

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バス停の手前で夕陽を拝む

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大場正明(評論家)
1957年神奈川県横浜市生まれ。中央大学法学部卒。映画、音楽、書物その他の評論。著書・編著書は『サバービアの憂鬱』『CineLesson15 アメリカ映画主義』など。趣味は登山、写真、料理。
大場正明 HOMEPAGE http://c-cross.cside2.com
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