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2009.12.14UP

丹沢主脈を日帰りで縦走

11月15日(日)

 今年の2月に大倉から丹沢山に登った。その日のブログには、下りの丹沢三峰から蛭ヶ岳を見上げ、近いうちに姫次から蛭ヶ岳に登りたいと書いてある。それからずいぶん時間がたってしまった。なかなか足が向かなかったのは、なんとなくヒルがわずらわしいと思っていたからかもしれない。この時期ならもう吸いつかれることもないだろう。

 2〜3日ぐずついた天気がつづいた後の晴れの予報を目にして、とんでもなくよい天気になる予感がした。焼山登山口に行くバスは、土日には2本しかないので、そこから蛭ヶ岳に登って、戻ってくるのは厳しい。そこでタフなコースにはなるが、焼山→姫次→蛭ヶ岳→不動ノ峰→丹沢山→塔ノ岳→大倉まで丹沢主脈を日帰りで縦走することにした。距離にすると25kmぐらいだろうか。

 いつもはトレーニングも兼ねて、わざとザックを重くしているが、さすがに今日はガスも持たず、温かいものはサーモスに入れたお茶だけにした。丹沢は2月以来だが、あらためて近いと思った。奥多摩や奥武蔵、秩父方面だと4時台の電車で出発するが、丹沢だと5時過ぎの電車でもバスの始発に余裕で間に合ってしまう。

 JR橋本駅からバスを乗り継ぎ、焼山登山口バス停に到着し、まずは焼山を目指す。下車したのは筆者を含め3人。写真を撮るせいで他の登山者のリズムを乱したくないので、最後に出発する。予想通りの快晴で、紅葉した樹林のなかを気持ちよく登っていく。暑いので今日も半袖Tシャツだ。約90分で焼山山頂に到着。展望台からは、宮ヶ瀬湖、丹沢山塊、相模湾まで見渡せる。

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焼山登山口バス停から焼山を目指す

 焼山からは黍殻山を経て姫次に向かう。この道は傾斜が緩やかなのはいいが、ときどき木立の間から丹沢三峰や蛭ヶ岳が見える程度で、特に展望もなく、ただ長いだけなので逆に退屈する。だが、姫次に着き視界が開けた瞬間に、そんな気分も吹き飛んだ。富士山が美しい! これまで見たなかでも上位にランクできる美しさだ。しかも、雲の流れが非常に速く、刻一刻と変化する。

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焼山山頂の展望台

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展望台から丹沢山塊と相模湾

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姫次から最高に美しい富士山

 姫次から蛭ヶ岳へは一度下り、地蔵平を過ぎると樹林帯に入ってアップダウンの繰り返しになり、最後に急な登りが待っている。この山頂手前の急斜面からの展望も素晴らしい。檜洞丸や大室山などの西丹沢の山々、富士山や南アルプスの山々を見渡せる。11時半には山頂に着きたいところだったが、12時近くになってしまった。さすがに丹沢の最高峰だけあって、どちらを向いてもさえぎるものがない。

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蛭ヶ岳山頂手前から檜洞丸、大室山、富士山

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広々とした蛭ヶ岳山頂

 蛭ヶ岳の山頂からは展望バツグンの笹原を下っていく。正面には、これから歩く不動ノ峰、丹沢山、塔ノ岳の尾根が迫ってくる。左手には丹沢三峰が並んでいる。この三峰を越えて宮ヶ瀬に至るコースは、アップダウンはきついが、人が少なく、静かな山歩きができる。2月にはこのコースの途中から蛭ヶ岳を見上げていた。そして、三峰の向こうには下界が広がっている。我が家から遠くないところにそびえているランドマークタワーも見える。

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これから歩く不動ノ峰、丹沢山、塔ノ岳

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笹原から丹沢三峰と下界の展望

 右に目を向ければ熊木沢を見渡せる。さらに、振り返れば、登りのときには樹林で見えなかった蛭ヶ岳の山容もじっくり眺めることができる。特にクサリ場のある鬼ヶ岩の近辺では、蛭ヶ岳も富士山も見応えがある。ちょうど富士山の上に、つるし雲のような面白い雲が浮かんでいた。

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熊木沢の河原を見渡す

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笹原から蛭ヶ岳を振り返る

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クサリ場のある鬼ヶ岩

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12 蛭ヶ岳山頂と青空

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富士山とつるし雲

 蛭ヶ岳から丹沢山までは、鬼ヶ岩ノ頭、棚沢ノ頭、不動ノ峰とアップダウンが繰り返されるので、なかなかしんどい。不動ノ峰を越えて、丹沢山の山頂に至る階段を登っているときに、筆者よりもかなり年長と思われる男性が素晴らしいリズムで追い抜いていった。あの健脚なら主脈縦走も楽勝だろう。

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不動ノ峰を目指す

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丹沢山を目指す

 丹沢山の山頂で昼食をとり、14時に出発する。このコースでは、右手にずっと富士山が見えるが、竜ヶ馬場の笹原から眺めるとだいぶシルエットに近くなっていた。左手にはだんだん大山が迫ってくる。塔ノ岳に向かう道を進みながら、これだけ歩いて鹿を見かけないのを不思議に思っていたところ、山頂の手前で立派な角を持った鹿に遭遇した。筆者のことなど無視して、せっせと草を食べていた。

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竜ヶ馬場付近から富士山

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登山道から大山を眺める

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塔ノ岳山頂の手前で鹿に遭遇

 塔ノ岳の山頂は人影もまばらで、ひっそりと静まりかえっていた。ここで最後に、完全にシルエットになった富士山の写真を撮り、すぐに出発する。後は大倉尾根をひたすら下るだけだと思ったときに、別の鹿が現れたのでもう1枚。下りは、尾根の終盤でだいぶ暗くなったので、ヘッドランプを出そうかとも思ったが、そうこうしているうちに舗装路に出てしまった。近場にこういう山域があるというのはなんともありがたい。

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人影まばらな塔ノ岳山頂

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塔ノ岳山頂から富士山

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再び鹿に遭遇

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大場正明(評論家)
1957年神奈川県横浜市生まれ。中央大学法学部卒。映画、音楽、書物その他の評論。著書・編著書は『サバービアの憂鬱』『CineLesson15 アメリカ映画主義』など。趣味は登山、写真、料理。
大場正明 HOMEPAGE http://c-cross.cside2.com
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