アビイ・ロードの歩き方―私のビートルズとロンドン―THE WAY TO ABBEY ROAD『アビイ・ロード』のカヴァーを見ていちどはここを歩いてみたいと思った人からとくに何も思わなかった人まで、リアル・ピープルにきくそれぞれのビートルズ、そしてそれぞれのロンドン。

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#12 武道館公演に行くために、200枚の葉書を書きました (小川武志)

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1. ショーン・レノンも来店したという店内にはビートルズ関連の写真やグッズに加えて、親交のあるアーティストの楽器やアンプが山と積まれている。人形4体は、「ジョンの足跡を辿るため」に23年前に行ったニューヨークで手に入れたもの。また、WURLITZER製の真空管ジュークボックスは完動品。日本に3台しかなく、「買った後に、ジョン・レノンも同じものを持っていたという話を聞いて運命を感じた」とのこと。
2. ジョン・レノンの巨大な肖像のほか、店内にはレプリカペイントのギターや、武道館公演のチケットなども展示されている。

 僕がビートルズに初めて触れたのは、小学校6年生頃。ちょうどイギリスでデビューした頃ですね。「ラジオと言えばFEN」という母親のおかげでいつも、家庭では洋楽が流れていたんです。それまでも、チャック・ベリーやエルビス・プレスリーを聴く、少しませた小学生でしたが、初めて聞くビートルズは衝撃的でした。ロックでありながら、キャッチーでポップ。リズムもメロディも、それまでに聴いていた音楽とは明らかに異質でした。当時は日本デビュー前だったから、知っている人がいなくてね。その後、中学時代に人気が出たときには、ちょっとした優越感もありました(笑)。
 もちろん、バンドもやりたかったけれど、当時のエレキギターは高かったから、フォークギターで“ひとりビートルズ”(笑)。よくコピーしたのは「TICKET TO RIDE」や「CAN'T BUY ME LOVE」あたり。初めてのバンドは、大学入学後。バイト代で買った3万円のTOKAIのストラトモデルで、仲間と音を出す楽しみを覚えましたね。もっとも、すぐに挫折して、アーティストを応援する側に回ることになったけれど。
 イギリスに行くなら、やはりリバプールがいいのでは? 僕が行ったときは、史跡巡りのようにアビイ・ロード・スタジオなどを回ったけれど、個人的には武道館公演のほうが「いま、ジョンと同じ空気を吸っている」という印象は強かったような気がします。抽選用の葉書を一生懸命書いたかいがありました。書いた枚数ですか? 200枚です(笑)。

取材・文/松浦達也

小川武志
ライブハウス「Lantern」オーナー


'50年生まれ。'74年、東京・渋谷にライブハウス「ランタン」を開店させる。「相手の音が聞こえる4ピースバンドだからこそできるコミュニケーションを、若い世代に伝えたい」と、バンド活動を通じての“音育”も試みている。毎週水曜日はビートルズセッションデイ。
http://lantern.web.infoseek.co.jp/


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