アビイ・ロードの歩き方―私のビートルズとロンドン―THE WAY TO ABBEY ROAD『アビイ・ロード』のカヴァーを見ていちどはここを歩いてみたいと思った人からとくに何も思わなかった人まで、リアル・ピープルにきくそれぞれのビートルズ、そしてそれぞれのロンドン。

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#30 ビートルズは1年に何度かふりかえるふるさと (面谷誠二)

面谷誠二

1.ギターやウクレレの先生でもある面谷さん。
2.はじめて買ったアルバムで、今でも一番好きという『ホワイト・アルバム』のホワイト盤。「これを見つけた時はうれしかった」。
3.『イエロー・サブマリン〜ソングトラック〜』のイエロー盤。「CDの時代になっても、アナログ盤も必ず出します。ビートルズはこんな遊び心も楽しい。やっぱりレコードが一番いいですね」。
4.「僕にとってのビートルズは日本編集のオデオン盤なんです」。後年自分で買った『HELP!(4人はアイドル)』。「はじめて聴いた時は、きれいな『イエスタデイ』の後に『ディジー・ミス・リジー』が入っていて、『何なんだこれは』と驚きました」。「『抱きしめたい』などのレコードに、リンゴ以外の3人の身長が5フィート11インチという解説が載っていて、僕は5月11日生まれで、それがすごく気に入っていたのが印象に残っています」。

 1994年、ロンドンのスタジオ事情を見ておこうと思って、スタジオをいくつか見た時、「レコーディングの下見」と称してアビイ・ロード・スタジオも見学したんです。本当なら「見学」では入れませんから、コーディネーターを通して。第2スタジオに入ってみると、写真で見た初期のレコーディング風景などとレイアウトがほぼ同じでした。ここで色々作業したんだなと、わくわくしましたね。
 ローリング・ストーンズが使ったオリンピック・スタジオのオフィスの窓から見た景色が、後の「フリー・アズ・ア・バード」のプロモーションビデオの中の、4人が屋根を見下ろしているシーンと同じでした。ありふれたロンドンの景色かもしれませんが、そういうちょっとした体験が後からフラッシュバックしてきます。
 ビートルズを聴いたのは、小学校3年生か4年生の時、兄の持っていた『HELP!(4人はアイドル)』をこっそり聴いたのが初体験でした。意識して聴くようになったのは、5年生くらいに、ひとつ上の先輩が「かっこいいのがある」と言って「レディ・マドンナ」のシングル盤のジャケットを見せてくれてからでした。それから「ヘイ・ジュード」のシングルを買い、『ホワイト・アルバム』を買いました。
 来日公演は親父と一緒にテレビで見てました。親父は「うるさい」と言ってましたね。僕もまだ音楽に興味を持っていなかったので、「わーわーきゃーきゃー言ってるな」という印象でした。
 ビートルズを聴きはじめるのとほぼ同時にギターを弾きはじめて、アマチュアバンドではディランやPPMなどとあわせてビートルズを何曲かコピーしていましたポールはコード進行がかっちりしていて、コードを鳴らすだけで成り立つけど、ジョンはコードを弾いただけではジョンの曲にならないのが演奏する上では難しいですね。
 ビートルズは水みたいなもので、それがないと生きていけないような存在です。何かあった時に、必ず1回リセットする場所。自分の感覚が鈍ってきたらビートルズを聴きます。1年に何度かふりかえる場所、ふるさとみたいなものです。

取材・文/佐藤義文

面谷誠二
プロデューサー


広島市出身。フリーのギタリストとして多くのアーティストのコンサートのサポートやレコーディングに参加。現在、トイズオフィスのプロデューサーとして活動中。主なプロデュース作品にIWAO「HAPPYDAY」など、辛島美登里『GREEN』など、ブレッド&バター『B.B.C.』ほか。現在、IMEHA、E KOMO MAIのリーダーとして活動中。E KOMO MAI は映画『全然大丈夫』の音楽を担当。(http://zenzenok.jp/)2008年4月10日には青山円形劇場にて笛吹奈保子と共演。
公式サイト http://www.toysmusic.com/


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