松任谷由実「私の東京」Cover Story yuming

 ユーミンの音楽の原点には“東京”の時代性が色濃く潜んでいる。
例えば「COBALT HOUR」は、六本木で夜明け近くまで遊んでいるとき、街並みがコバルト色に見えたひとときが描かれており、また、学生運動が高揚している頃、御茶の水の錦華公園で見かけた大学生たちの光景から「『いちご白書』をもう一度」がつくられた。ともに1975年(昭和45年)にリリースされている。

 ユーミンは、東京・八王子に生まれ、60年代の米軍基地、立川ベースのなかにあるPX(米軍専用のスーパーマーケット)ではリアルタイムでロックの輸入盤を買っていた。同時期、杉並の立教女学院の中学校に通う頃からGS(グループサウ

ンズ)が出演していた銀座、新宿にあった『アシベ』などのジャズ喫茶、また、六本木のディスコ『スピード』で実力派ミュージシャンたちとの交友もあった。70年代には文化人やアーティストたちが多く出入りしていた飯倉のイタリアン・レストラン『キャンティ』へ通い、田町にあったアルファ・ミュージックでは、当時、時代の先端で活躍するミュージシャンたちと出会うのだが、すでにユーミンは中学生の頃から足早にシンガー・ソング・ライターとしての輪郭を整えていた。
 早熟で好奇心旺盛だった少女は“東京”という街でどんな人たちと出会い、その感性はどんなふうに磨かれていったのだろうか…。ユーミンにインタビューした。

YumiMatsutoya seasons colours NEXT

e-days「イーデイズ」は大人の感性を刺激するWEBマガジンです。