創業は1975年。32年もの歴史を誇る、高円寺で最も古いジャズバー「アフター・アワーズ」のオーナー、台(うてな)夕起子さんが当時を振り返る。
「音楽バーをやろうと思って色々調べたら、やっぱり高円寺が一番向いてるかな、と思ったのよ。あまり繁華街で大きくやりたくなかったから。昔はこの辺にもアングラな、小さいロックやソウルの店がたくさんあったしね。最近は音楽的な店も減っちゃったけど…」
店内には、コルトレーンのバラードなど、お酒を飲みながら聴いて心地良い、大人のジャズが流れている。開店当初はフュージョンから始まったが、リクエストに応えるうちに、徐々にスタンダードなジャズを流すようになったという。
「私と一緒に年を重ねてきた昔からのお客さまが多いから、30代、40代以上の大人ばかり(笑)。好きな音楽を聴きながら料理やお酒を飲む、そういう時間を楽しんで欲しいから、うちではあまりハードなものは流さないようにしているの」
こちらの自慢は、ジャズバーとは思えない本格的な料理。イタリアン出身のシェフが作る料理は、生地から作る自家製ピザやデミグラスソースのオムライス、ピザ生地をナンにしたカレーなど、どれもこだわりの逸品ぞろいだ。
2年前からは1階にスタンディングバーもオープン。自慢のフードやお酒をリーズナブルに味わうこともできる。
「下でまずビールを1杯飲んで、上でゆっくり食事とお酒を楽しむ。そんな使い方をする人もいますよ」と台さん。
また、週に3回はライブを行っており、ジャズの生演奏が楽しめるのも魅力のひとつ。かつては日本ジャズピアニスト界の草分け的存在、本田竹広氏もライブを行っていたという。
「今ライブに出ているのも有望な若手ばかりですよ。土日はレギュラーの方々だけど、水曜はシャンソンでもポップスでもOKのオールジャンルで常に募集してるの。お店が狭いから、ボーカルとピアノ、ギター、ベースぐらいの小さな編成だけど、生で聴く音楽は格別ですよ」
未来のスターを探しにライブに通うのもいいだろう。店名の「アフター・アワーズ」とは、仕事の後のほっとひと息という意味。おいしい酒と料理とジャズの音色――大人の心をゆるませる“三種の神器”がここにある。
取材・文/宮原香菜子 写真/須藤夕子
1.歴史を感じさせる内装。大人の男がほっとひと息つけるのは、こんな落ち着いた店だろう。
2.ピアノはお店のサイズに合わせてオーダーした特注品。インテリアとしてではなく、ライブの時には活躍する現役選手だ。
3.キリンラガー(中瓶)580円と季節のオススメメニュー、生ハムとルッコラのピザ980円。
4.1階のスタンディングバー「AFTER HOURS 2005」はノーチャージ。こちらで1杯飲むと2階のチャージが無料になるという特典も!
AFTER HOURS
東京都杉並区高円寺北3-21-20
03-3330-1556
1F/17:30~翌0:30、2F/18:30~翌2:00(日曜は1時間繰り上げ)
月
チャージ400円。ライブのある日はミュージックチャージも含み、水1800円、土・日1600円


