武蔵野の面影が残る学園都市・国立。ハイソな雰囲気が漂うこの街には、『音楽の街』という一面もある。駅周辺にはライブハウスやバーが点在しているし、この辺りに居を構えるミュージシャンも多い。
「国立地球屋」は2003年、音楽があふれる国立の街に誕生したライブハウスだ。スケジュールにはロックやレゲエ、民族音楽、ベリーダンスなど多彩なジャンルのイベントが並んでいる。オープン当初からのスタッフで、現役のレゲエミュージシャンでもある龍一さんは言う。「この店は、既存のライブハウスに対するアンティテーゼなんです」と。
多くのライブハウスでは、出演アーティスト自身にチケットノルマがあるが、ここではいっさいなし。客が払うミュージックチャージも、大物ミュージシャン出演時を除けば500円~1000円程度と低く抑えられている。そこにあるのは、「ライブハウスに行く、と身構えるのではなく、飲みに行った店でたまたまライブをやっていた、という感覚で気軽に楽しんで欲しい」というスタッフの心意気だ。
音質の良さでも評価が高い。「そんなにいい機材を使っているわけじゃないんですよ。でも、これまでに出演したミュージシャンやお客さんからは、『いい音だね』と褒められることが多いですね」と龍一さん。その秘密は、スタッフの努力にある。ステージにじゅうたんを敷いたり、天井に吸収剤を貼るなど、工夫を重ねて試行錯誤。「お金はかけられないけど、絶対に妥協はしない」という姿勢で、音質を追求した結果なのだ。
名物の「阿蘇産直ホルモン焼き」や焼き魚をつまみながら、ビール片手にライブを楽しむ。終演後には出演アーティストといっしょに、音楽談義で盛り上がることも。料金も手頃だから、「せっかく高い金を払ったのに、失敗した」と悔やむこともない。仕事帰りや夕食後に飲み屋感覚で立ち寄れる、ありがたいライブハウスだ。
取材・文/渡辺裕希子 写真/横田敦史
1.店のインテリアも、スタッフが家族や友人と力を合わせた“手づくり”。とはいえ、細部にまでセンスが感じられ、居心地がいい空間だ。
2.随所にこだわり溢れるステージ。どの席に座ってもミュージシャンとの距離が近く、迫力あるステージが楽しめるはず。
3.お店で流れる音楽のジャンルは様々。スタッフの個性が光る。
4.国立駅南口からまっすぐに伸びる大学通り沿いにある。学生はもちろん、40~50代の客も多く、客層は幅広い。
5.豚のホルモンを甘辛く味付けた「阿蘇産直ホルモン焼」600円は、歯ごたえが抜群。「キリン一番搾り生ビール」500円とともに。
国立地球屋
東京都国立市東1-16-13 B1F
042-572-5851
19:00~翌2:00、ライブは20:00~
月(月曜が祝日の場合は火曜休み)
ライブ時のみチャージあり(料金はライブにより異なる)


