オーナーの小野敏郎さんは、ボサノバ歌手小野リサさんのお父様。1958年、パン・アメリカンのプロペラ飛行機に乗ってブラジルへ。片田舎に、サンバのリズムに日本の懐メロとブラジルの古いメロディーをのせた演奏を楽しむ店をオープンし、日系人や現地の人々に愛されたという。満を持して中心部であるサンパウロに移転。黒塗りの車が横付けするほどの成功を収めた。そして72年に日本へ帰国。四谷にオープンしたのが、ブラジル料理と音楽の店「サッシペレレ」だ。
「70年代といえば、ブラジルの文化はまだ日本にほとんど入っていない時代でした。ブラジルの料理と音楽を楽しめる日本初の店だったという話も聞いています。最先端の店として、新しいものに興味があるクリエイターや音楽家などで夜な夜な賑わったそうです」とマネージャーの伊東康彦氏は語る。
ブラジルからミュージシャンを呼び寄せ毎晩ライブを開催。スタッフもブラジル人で、フェイジョアーダ(黒豆と肉の煮込み)やフェイジョン(ブラジル産インゲン豆の煮込み)などのブラジル料理を提供。小野さんは店を経営する傍ら、「浅草サンバカーニバル」の立ち上げにも関わるなど、日本にブラジル文化を紹介するパイオニアとして活躍してきたのだ。
現在「サッシペレレ」では毎晩3回(金曜日は4回)、ボサノバ、サンバ、ソウルジャズなどのライブを開催。パーカッションを持参して演奏に参加したり、フロアで踊るゲストも多いとか。本格的なブラジル料理に舌鼓を打つも良し。伊東氏曰く「大のおしゃべり好き」というブラジル人スタッフとのおしゃべりもまた楽しい。ちなみに店名のサッシペレレとは日本でいう座敷わらしのこと。大人にいたずらをする子供の妖精のことだ。底抜けに明るいブラジルの音楽と人々、料理との出会いに加え、ちょっと不思議な体験!?も待っているかもしれない。
取材・文/高橋かおり 写真/田頭真理子
1-2. 奥がステージ、手前がカウンターやテーブル席になっている。ブラジルの大地を思わせるオレンジ色の壁には、情熱的な太陽やブラジルの子供達、青々とした木々などが描かれている。
3. ホブソンさんをはじめ、スタッフはみな愛嬌たっぷりでおしゃべり好き。会話もこの店の楽しみだ。
4. 「サッシペレレ」のロゴマーク。
5. ブラジルのビール「ノヴァスキン」750円。サトウキビから作られたブラジルの地酒ピンガを使ったカクテル「カイピリーニャ」900円。豚の耳や鼻、牛肉、ソーセージ、黒豆などを煮込んだブラジルの伝統料理「フェイジョアーダ」1500円~など、本場の珍しい味も。
サッシペレレ
東京都新宿区本塩町9 光丘四谷ビル地下1階
03-3353-7521
17:00~深夜0:00、金曜・土曜は18:00~深夜0:00
日曜・祝日
ミュージックチャージ1500円(金曜およびスペシャルライブは2000円)、ディナーセット(ミュージックチャージ、前菜盛り合わせ、メイン3500円(金曜は4000円))、シュラスコ サッシペレレ風1800円


