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webマガジン e-days(イーデイズ)東京 大人の遊び場DINING中央線BAROQUE| クラシック音楽鑑賞店 バロック

吉祥寺の音楽文化を牽引してきた立役者 往時の流儀「私語厳禁」を守り続ける名曲喫茶の老舗
クラシック音楽鑑賞店 バロック

 今や“ジャズの街”というイメージが強い吉祥寺。しかしその昔は名曲喫茶が数多く立ち並び、また文化的な街としても知られていた。かつては大岡昇平の小説にちなみ「武蔵野夫人的街」とも称され、金子光晴などの文豪らも、この街で育った。
 クラシック音楽鑑賞店「バロック」は、そんな吉祥寺に、昭和49年に創業。以来、隣に店を構えるジャズ喫茶の雄「MEG」とともに親しまれてきた。しかし時代の流れに伴い、次第に街の様相は変化。吉祥寺は若者の街へと変わり、周辺のエリアも歓楽街へと変貌していった。名曲喫茶が次々と店を閉める中、「バロック」は「吉祥寺を守りたい」という強い信念のもと、往時と変わらぬスタイルで、この街の文化を守り続けているのだ。
 店の流儀は創業当初と変わらず。座席は、まるで教室のように、スピーカーに向かって同じ方向に並べられている。もちろん私語は厳禁。読書や書き物をしてもいいが、自分のリクエストがかかっている間は、それもご法度。ほかの街の名曲喫茶が、次々と私語解禁するなかにあって、あくまでも往時のスタイルを踏襲し続けている。偏屈な店と思う人もいるかもしれない。しかし“あの頃”となんら変わらない店の存在に、心癒される大人達は多いのだ。
 真空管のアンプは、先代のマスター中村数一氏が手作りしたもので、やわらかな音色が特徴だ。店内にはイギリス製のスピーカーが2組あり、かける曲によって使い分けている。たとえばエルマン愛奏曲集のような、繊細でやさしい調べには、タンノイを使用。一方、オーケストラのレコードをかける際には、ヴァイダボックスを使い、迫力の重層的な音を楽しむ、という具合だ。アナログレコード特有の温かみのある音色は、自宅の小さなステレオで聴くのとは比べものにならない。まるで空気が震えるような臨場感溢れる音で、演奏家の息遣いまで聞こえてくるかのよう。ここに来れば、至福の音楽に包まれ、ひとりになることができる。大人の秘密基地のような一軒。

取材・文/高橋かおり 写真/須藤夕子

クラシック音楽鑑賞店 バロック

1.それぞれの曲の特徴に合わせ、「タンノイ」と「ヴァイダボックス」を使い分けている。
2.劇場などで使われていた真空管を用い、先代マスター中村数一さんが手作りした真空管アンプ。
3.レコードは6000枚ほど所蔵。その時かけているレコードは、ホワイトボードで確認できる。持参したレコードをかけてくれることもあるが、レコード針を守るため、スプレーなどの薬剤を使用せず、ガーゼで手入れしたレコードのみの対応。
4.ブレンド800円。追加注文は半額で。創業以来変わらぬ豆を使っている。水はNASAでも使用しているという浄水器を通しており、やわらかくまろやかな味わいが魅力。
5.現在店を守るのは、先代マスターの奥様、中村幸子さん。彼女を慕って通うお客さんも多い。

クラシック音楽鑑賞店 バロック

住所 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-31-3 みそのビル2F

電話番号 0422-21-3001

営業時間 12:00~22:00

休日 火・水

金額 ブレンドコーヒー800円、紅茶800円、ココア900円、ミルク800円、オレンジジュース900円、 追加は半額

URL なし



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