真っ赤なソファと緑色のランプが主張する、サイケデリックな空間。丸みを帯びたブラウン管のテレビからは、なつかしのプログラムが流れる。ステージに鎮座するドラムセットは、グループサウンズ世代にはたまらないPEARLのバレンシア。ここにいるだけで、誰もが輝かしき“あの時代”へとタイムトリップできるだろう。
『喫茶・軽食 グリーンアップル』のオーナーは、60年代をこよなく愛する鈴木美穂さん。「内装は、60年代の日本映画に出てくる喫茶店をイメージしました。あえて、垢抜けない雰囲気を狙ったんですよ」と話す。BGMも、ほぼすべてが60年代の曲。ビートルズをはじめ、ポップスやソフトロック、サイケポップなど、多彩な名曲が鳴り響き、1日中60年代の雰囲気に浸ることができる。
それにしても、当時をリアルタイムでは体験していない鈴木さんが、なぜ60年代に惹かれるのか。素朴な疑問をぶつけると、こんな答えが返ってきた。「日本の高度成長期だった60年代は、すべてにおいて勢いがあった時代だと思います。何にでもチャレンジし、どんどん成長していく感じが魅力ですね」
看板イベントは、毎月第2・4水曜の夜8時から行われている“Go Go Apple!”。近田春夫&ハルヲフォンのドラマーが率いる専属バンド「恒田義見とゴーゴーアップルズ」が、洋楽ポップスからからグループサウンズ、アイドルロックまで、60~70年代のカバー曲を披露する。飛び入りで歌ったりタンバリンを叩く客もいるという、アットホームなイベントだ。客席からのリクエストもOKで、ライブチャージはたったの500円。この金額なら、あれこれ思い悩むことなく気軽に参加できるだろう。
もうひとつ、忘れてはいけないのが人気メニューの「ナポリタン」だ。懐かしくも本格的な味わいは、打ち上げで訪れた某落語家からも絶賛されたとか。今宵は、“ゴールデン・エイジ”60年代の世界に出かけてみてはいかがだろうか。
取材・文/渡辺裕希子 写真/関根則夫
1.音の跳ね返りが少ないため、スタジオのように美しい音が楽しめる。今年でオープン5年目。20代~60代まで、幅広く愛されている店だ。
2.PEARLのドラムセットをはじめ、楽器やスピーカー、アンプのほとんどはヴィンテージ品。ロックやアコースティックなど、さまざまなライブが行われている。
3.レトロなフォルムがたまらない、日本製のテレビ。1960~70年代のテレビ番組が放映され、ノスタルジーを誘う。
4.白いカウンターテーブルをはじめ、内装はすべて手づくり。ゆったりと過ごせるようにと、テーブルやイスの高さも計算されている。
5.リピーターも多い、大人気の「ナポリタン」600円。ひと皿ずつていねいに作るため時間はかかるが、待つだけの価値あり。「アンチョビ入りオリーブ」300円、「キリンクラシックラガー(中ビン)」650円。
喫茶・軽食 グリーンアップル
東京都杉並区高円寺南4-9-6 第三矢島ビル2F
03-5305-8086
月・木・金16:30~深夜1:00、土・日・祝15:00~深夜1:00
火・水(イベント・貸し切りの場合は営業)
イベント開催時のみチャージあり


