池袋駅北口から商店街を行くと、ぽつんと光る赤い看板。それを目印に地下に降りれば、そこが、音楽好きが集う、隠れ家のようなライブバー「マイルス・カフェ」だ。店名からも分かるように、マスターは大のマイルス・デイビス好き。挨拶をすると「どうもマイルスです」と大きな両手でハグを求めてきた。店長のマイルスさんは生粋の日本人だが、名刺も「Miles」。トランペット歴50年というベテラン・トランペッターで、演奏している姿は、どことなくマイルス本人に見えてくるから不思議だ。
フロアは2つ、B1FのアコースティックフロアとB2Fのエレクトリックフロアがあり、生ライブが行われるのは主に、ミラーボールが煌めくB2だ。ジャズ、ファンク、ソウル――生音ならではのグルーブ感溢れる演奏が味わえる。
「人気のあるライブだと、ビルの前に行列ができたりするから、通行人がびっくりするんだよ。なんでこんな何の変哲もない普通のビルに行列が!?って(笑)」
また、ライブだけでなく、ジャムセッションが楽しめるのもここの魅力。グランドピアノとドラムセットが置かれたフロアでは、ライブ以外でもいつも楽器の音が鳴っている。
「ジャムやレッスンは初心者からプロ級までレベルごとにクラスに分かれていて、3時間のレッスン中、お酒が飲み放題。食べ物持ち込み自由。教室、というよりも、その時間にみんなで集まって音楽で遊ぶ。そんな感じかな」
ジャズの基本ルールはもちろん、グルーブやタイム感も教えてもらえると人気で、毎回ほぼ満席だとか。週末は家族連れも多く、小学2年生のドラマーがいたり、70代の方がいたりと、年齢層が幅広いのも面白い。楽器を習い始めたが演奏する場がないと、二胡やビブラホン、ハーモニカなど、自前の楽器を持ってくる人もいるそうだ。
「このお店は“自分ちの応接間”。そこに友だちを呼んでる、そんなつもりでやってます。音楽を通して友だちを作ってほしいんだよね」
ラフなようでいてその実、ピアノの調律など、楽器の手入れは都内でも有数という音へのこだわりも人気の所以かもしれない。こちらではレーベルも持っているので、プロを育成するプロジェクトも行っているそう。プロが自分たちのやりたい音楽ができる場所を提供し、アマチュア、セミプロ、が上達するのを応援する、それがマイルス流だ。
また、こだわりのフードメニューは日替わりで300円ぐらいから。お酒もカクテル類などが充実。秋の夜長に、音楽を肴に老いも若きも一緒になって遊ぶ――そんなフリースタイルさもまた、マイルスの愛する“ジャズ”なのだ。
取材・文/宮原香菜子 撮影/高須 力
1-2.30~50名のB1フロアはブルーが基調。ジャムセッションは主にこちらで行う。
3.ミラーボールのあるB2フロアは50~70名。最大100名まで入る。貸し切りのライブもある。値段はライブにより異なる。スケジュールはHPで確認を。
4.大学対抗バンド合戦の全国大会で優勝したという腕前を持つマイルスさん。
5.ハートランド700円、鶏とブロッコリーのホワイトソース500円、ソーセージの盛り合わせ800円。
Miles' Café
豊島区池袋1-8-8池袋労働基準会ビルB1・B2
03-5951-6807
19:30~23:00
無休
ハートランド700円、カクテル600円、グリーンカレー(ライス付き)900円など


