東池袋にあるイラン料理店『ペルシャン・ダルビッシュ』。ここは、ペルシャ古典楽器の奏者・歌手と
して活躍しているシャーサーバリー・ハミドさんが、2007年に開いた店だ。「ペルシャの人々は、4000年
も昔から楽器を奏でていました。実はピアノやドラム、ギターなどの現代楽器の祖先はみな、ペルシャ
の古典楽器なんですよ」と流暢な日本語で教えてくれた。
ディナータイムには毎晩、ハミドさんが数々のペルシャ古典楽器を演奏しながら美しい歌声を披露。
同時に、楽器の歴史や演奏法などを分かりやすく紹介してくれる。
例えば“サントゥール”は、ピアノの原型といわれている打弦楽器。網の目のように張られた72本の
弦を、桑の木で作られた2本のバチで叩いて演奏する。叙情豊かな調べに耳を傾けていると、悠久の地・ペルシャに迷い込んだかのような錯覚に陥るだろう。
また、タンバリンのような形の“ダーフ”は、ペルシャで最も歴史が古く、また最も難しい楽器のひとつ。ドラムの原型といわれており、叩く場所を変えることで、1000音もの音階を奏でることができる。
ハミドさん自らが腕を振るうペルシャ料理も、本格的だ。現地から取り寄せた食材を使い、ケバブや
シチュー、ナンなどイランの伝統料理を提供。油は控えめで、クセが少なくやさしい味わいが楽しめる。
「ペルシャの民族楽器を演奏できる人は、イランにも少なくなってきました。伝統が途絶えないよう、
その魅力を日本の皆さんに伝えていきたい」とハミドさん。かつてシルクロードで結ばれていたイラン
は、日本と縁のある国。ペルシャの音色と料理を通して、その深く豊かな文化に触れてみたい。
取材・文/渡辺裕希子 写真/岡村智明
1. ペルシャ絨毯が敷き詰められた店内。足をのばしてゆったりと過ごせる。ペルシャ古典楽器のほか、ペルシャンダンスやベリーダンスなどのイベントも随時開催している。
2. ペルシャ古典楽器がたくさん置いてある店内。入り口近くには、伝統の水たばこが楽しめるカウンター席がある(絨毯の席は禁煙)。
3. ペルシャスタイルのポテトサラダ「オリビエサラダ」500円は、焼き立てのナンと相性ぴったり。イラン産のざくろとチューハイを合わせ、バラの香りを加えた「ローズざくろハイ」600円もおすすめだ。
4-5. 「ペルシャの人々にとって、楽器とは花のようなもの。これからも、人々に喜んでもらえるよう演奏していきたい」と語るハミドさん。店内では、午前10時~16時までペルシャ古典楽器の教室も開催している(1回3000円/前日までに要予約)。
ペルシャン・ダルビッシュ
東京都豊島区南池袋2-4-3 南池袋ビル1F
03-6423-1233
17:00~23:00
不定休


