小説家のマーク・トウェインは「シガーのない天国なら行きたくない」と語り、また精神分析学の巨匠フロイトは「シガーを吸わなかったら、精神の深みを探究することはできなかったであろう」と述懐したといわれる。それほどまでに人の心を虜にする「シガー」。粋な大人の小道具でもあり、人生そのもの、ともいえるかもしれない。その至福なる紫煙の世界に足を踏み入れたいが、初心者は、最初の一歩をどこで始めるべきか迷うだろう。そんな時に扉を開きたいのが「ル・コネスール」である。
シックなソファ席にカウンターバー、開放的なテラス席と、思い思いに過ごせるよう多彩なステージを用意したシガーバー。この懐の深さは、入門編としてまさにピッタリだ。未体験者はまずカウンター席をリザーブすべき。スタッフが対面で懇切丁寧に、選び方から吸い方、楽しみ方まで教えてくれる。シガーは約100種用意されているが、たとえばアフターディナー用にと淺野泰伸店長がチョイスしたのは、オールハンドメイドの最高級ブランド「コイーバ・ランセロス」。ハーブ系の軽いタッチで、爽やかな印象。なおかつ花のような香りで、アフターも心地よく続く逸品だ。
まずカッターで吸い口を美しくカットしたら、スペインシダーを用いて火をつけ、口へ。煙を肺に吸い込ませるのではなく、頬で吸い、煙を立ち上らせることがポイントだ。そして鼻腔にかかる煙と口に広がるニュアンスに陶酔する…。ひとつひとつの動作がまるでなにかの儀式のようにも思われてくる、まさに大人の嗜好品だ。
傍らには好きなお酒とジャズ。ゆったりと長い時をかけてシガーと向き合うのは、それはそれは贅沢な時間。恋人と一緒にいる時間にどこか似ているかもしれない…。
取材・文/高橋かおり 写真/関根則夫
ル・コネスール
東京都渋谷区道玄坂1-12-5 渋谷マークシティ・ウェスト
03-5459-2626
11:00~翌4:00、日・祝日11:00~23:00
なし
ハートランド・ドラフトビール735円、コイーバ・ランセロス3000円、チャージ1050円



