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webマガジン e-days(イーデイズ)東京 大人の遊び場BARその他の都内La Cuji | ラクージ

50年代の名盤を特注スピーカーでプレイ。下町の路地裏に佇むジャズバー
La Cuji

 根津の路地裏には、昭和が息づいている。戦災を免れた古い民家、昔ながらの商店に並ぶ金ダライ、静けさの中に響く子供たちの声……。時が止まったかのような通りを歩いていると、モダンな町家が視界に飛び込んでくる。2007年にオープンしたばかりのジャズバー『La Cuji』だ。

「かけるレコードは、ジャズの黄金期と呼ばれた1950年代のものが中心。いわゆる名盤中の名盤が多いですね」と話すのは、マスターの坂井さん。5代続いた老舗すき焼き店のオーナーから転身し、若い頃から夢見ていたジャズの店を開いた。前職での経験を生かし、家庭料理をはじめジャンルにこだわらない料理を提供。“安くて美味しい”を基準に選んだワインや焼酎、バーボンなど、酒の種類も豊富だ。

 「ジャズはあくまでBGMで、主役はお酒。お酒のつまみとして、ジャズを楽しんでいただければ」と話すが、音質へのこだわりは強い。スピーカーユニットは、「1950年代のジャズを楽しく聴けるような音を作って欲しい」と、職人に作らせた特注もの。「みんなでお酒を飲んでバカ話をしながらも、心のどこかに音楽が引っかかってくれたら嬉しい」との言葉に、ジャズを愛する男の矜持が見える。

 建築物としても、一見の価値がある。まだ新しいのに風格が漂っているのは、隅々まで“ホンモノ”にこだわっているから。カウンターテーブルはもちろん、ボトルが並ぶ棚やトイレの洗面台にもチークの一枚板を使用。椅子とテーブルの高さや角度は、客が心地よく座れるよう計算しつくされている。2500枚以上あるレコードをあえて棚の中に隠すなど、威圧感を感じさないための工夫もニクい。

 場所柄、地元の常連客が多いため、最初は躊躇するかもしれない。だが、遠慮は無用。「下町の人は気さくだから、初めての人でもすぐ仲良くなれますよ」とマスター。下町の雰囲気に満ちた店で、心ゆくまでジャズに酔いたい。

取材・文/渡辺裕希子 写真/関根則夫

La Cuji

1. シンプルな中にも重厚感が漂う内装。店内の絵画やオブジェは、マスター自ら地元の展覧会を巡り、買い集めた。
2. スピーカー作りの名人に注文したスピーカー。アルテックのスピーカーユニットに、JBLの高音部を組み込んでいる 3. 気さくな人柄で根津の人々に親しまれているマスター。「たまに店を閉めると、お客さんに怒られるんですよ」と笑う。
4. 町屋をイメージした建物。不忍通りから一本入った、静かな路地にある。
5. 飲むと誰もが“沈没”すると評判の『タイタニック』700円。アブサンとグレープフルーツ果汁にブルーキュラソーを加え、船をかたどった氷を浮かべた力作だ。入手困難なイベリコジョータの生ハム『チョリソイベリコ』は550円。

La Cuji

住所 東京都台東区谷中1-2-18 マツダフラット1F

電話番号 03-3823-4015

営業時間 17:00~23:00、(土・日曜15:00~21:00)

休日 火曜・祝日

金額 グラスワイン550円~、バーボン500円~、カクテル600円~



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