第1回 果てしないギター銀河

ギター無くしてギタリストは存在しない。当たり前のような話しだが、“楽器はギタリストを触発し、ギタリストはアイディアの実現を楽器に要求する”という相関関係は結構忘れられがちで、最近ではプレイヤーの技巧ばかりに注目が集まることもしばしばだ。しかし忘れるわけにいかないのは、楽器もまた素晴らしい人間ワザによって産み出されているということだ。
現在のギターは、エレクトリックからアコースティックに至るまでその本体構造の多様さだけでなく様々な機能も装備されている。ブリッジ部分だけでもストップテールピースからフローティングされたトレモロ・ブリッジなど、またピックアップもアクティヴタイプやピエゾからMIDIピックアップに至るまで様々だし、さらにはロックナットやファインチューナー、EQやブーストなど、数十年に渡り数多くのギター・ビルダー、メーカーによって開発蓄積されたこれらのアイディアはまるで夜空にきらめく星々のようだ。今では楽器店に行きさえすればその全てを見ることができ、あたかもそこが絢爛豪華なプラネタリウムのようでもある。しかし、これらのきらめく星々もその軌道をたどって源流を探ってみると、ふたつの大きな銀河にたどり着くことができる。そう、「フェンダー」と「ギブソン」だ。そして、このふたつの偉大な銀河を中心にして、ギタリストを触発し続けてきたギターという楽器には数々の興味深いストーリーが隠されているのだ。

