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2008年04月

35年の時を経て、一層輝きが増したクリスタル


ニュー・クリスタル・サイレンス

ニュー・クリスタル・サイレンス/チック・コリア&ゲイリー・バートン
ユニバーサル ミュージック クラシック
UCCO-1043/4 ¥3,000 (税込) 
2008年4月23日発売 

 

 まるでお互いの心が読めているとしか思えない」と語るゲイリー・バートンと、「ゲイリーのプレイは今も昔と同じように驚異的で、私を触発する」というチック・コリア。お互いの音楽性とスキルを最大限に高めあうパートナーとして、長年に渡ってデュエット活動を続けている二人が、35周年を記念してアルバムを制作した。 
 二人が初めてデュエットを行ったのは1971年。ドイツでのジャズ・フェスティバルで主催者から、フェスティバルの締めくくりに誰かジャム・センッションをやらないか?という提案があったとき、イエスと答えたのがこの二人だけだった。演奏は大好評となり、それをきっかけにアルバム『クリスタル・サイレンス』を制作。それから二人は35年間、1年と間を空けずに世界中をツアーし、音楽を作り続けている。 
 ゲイリー・バートンはスタン・ゲッツのカルテットのメンバーとして、チック・コリアはマイルス・デイビスのクインテットのメンバーとして。二人は出会う以前から、存分に実力を発揮して活動をしていたが、デュエットのパートナーとなったとき、ゲイリーの即興演奏は一層の輝きと自由さを持ち、チックの作曲は、ゲイリーが自由に飛び回れるだけの広さのあるフィールドを作り出した。 ジャズともフュージョンとも括りきれない、演奏する本人達も驚くような、新しく、美しい世界が完成したのだ。 
 そして、二人は35周年を記念して、デビューアルバムと同じタイトルのアルバム『ニュー・クリスタル・サイエンス』をリリースすることになった。  このアルバムには、2007年にシドニーのオペラハウス、ノルウェーのモルデ・ジャズ・フェスティバル、そしてカナリア諸島のテネリフェの3カ所でライブ録音されたもの。 
 即興を存分に取り入れた作品群でありながらお互いが、相手の持っている力を引き出し合い、楽しんでいる事がその演奏からありありと伝わってくる。音楽という言葉を通して、二人はお互いの優しさや思いやりや、自分たちをとりまく世界の美しさをその瞬間、瞬間に創造してゆく。35年という時を経て、一層磨き込まれたクリスタルの輝きが楽しめる一枚だ。  

文=代田橋郁子




2008年04月

ジャズ・トロンボーン姉妹、スライディング・ハマーズ インタビュー


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 スウェーデンのジャズ・トロンボーン姉妹、スライディング・ハマーズの新作『“Sings”シングズ』が、この4月リリースされた。よき時代のモダンジャズの香りを今に伝えるこの2人にインタビューを行った。

――そもそもトロンボーンとの最初の出会いを教えて下さい。
MIMI(以下M)8歳の時、初めてトロンボーンの音を聞いたの。ミッドサマー・ナイトのパーティで。(註:ミッドサマーは、夏の到来を祝い豊作を願う北欧のお祭りで、各地でパーティが催される) トロンボーンの音がとっても綺麗だったことを覚えているわ。それから試しに吹き始めて、2年後にはすっかり惚れこんでいたの。
KARIN(以下K)11歳の時、学校で楽器演奏で各自楽器を選ばなければならないという時にまったく偶然にトライしたの。 そうしたらすっかりはまってしまったの!

――トロンボーンの魅力を一言で言うと?
(M)音色がとにかく綺麗。感情表現に最高の楽器だわ。様々なフィーリングやムードを表現できるの。そこがトロンボーンの一番好きなところね。ソフトに優しく演奏したければそれも可能だし、荒っぽくて濁った音も出せるし。
(K)トロンボーンの魅力は、バルブじゃなくてスライドがあるところね……バルブ・トロンボーンじゃない限り、だけど(笑)。始めてすぐに、トロンボーンを通じて音を創ることが自分にとってすごく自然に感じられるようになったの。

――新作『Sings』ではMIMIさんはトロンボーンを置きヴォーカルに専念していますが、その理由は?
(M)歌い始めたのは90年代の初め頃だったけど、以来、その役割が徐々に増してきたの。感情表現するという意味では、楽器より歌声の方がより繊細にやれるでしょ。それに、聴き手の大半はヴォーカルの方が感情移入もしやすいんじゃないかと思うの。私自身、自分の歌はこの何年かでよくなってきていると思う。それで、今度はヴォーカル・アルバムを作ってみようということになったの。

――トロンボーンを吹かなかったことで、改めて発見したものはありましたか?
(M)ヴォーカルも楽器の一つのようなもので、レコーディングするにふさわしい力をつけるには多くの鍛錬が必要だということね。

――トロンボーンはあなた一人という事で、あなたのトロンボーン・プレイで特に気をつけた点やチャレンジした点を教えて下さい。
(K)ん〜、特にはなかったわね。いつもと同じ。とても楽しいレコーディングだったわ。私自身は、いつもと同じように、ベストなプレイをしようと心がけただけ。それは、20人のトロンボーンプレイヤーとの共演であれ自分一人で演奏する場合であれ、同じなのよ。常に、集中して音楽の中に入っていかなくては、と思っているから。

――日本ではいま吹奏楽が人気でトロンボーンを吹く人も増えつつあります。そこで、トロンボーン初心者に向けてお薦めのアルバムと、逆に“通”向けにお薦めする各トロンボーン・アルバムを挙げてください。
(M)初心者に勧めたいのはJ.J.ジョンソンの『Concepts in Blue』。1曲目の「Blue Nun」のJJのブルースっぽいソロの素晴らしさはビギナーにもわかってもらえると思うわ。音がクリアーでシンプルだけど、心がこもっている。トロンボーン通には、カール・フォンタナのアルバムすべてを推薦するわ。私にとって最高のアイドルなの。彼の演奏は明快でかつ、常にいい着地点を知っているの。
(K)ビギナーであれ“通”のファンであれ、大きな違いはないと思うわ。スイングしている音を聴けば、スイングするもの! 昔よく聴いたのは、『ザ・グレイト・カイ&JJ』ね。中でもいい曲といえば、たとえば「Just For A Thrill」や「Judy」。フランク・ロッソリーノのCDに入っている「Free For All」や「Frank Talks」もとてもいいわね。それから、ニルス・ラングレンのアルバムだったら、ジャズアルバムでもファンキーな作品でもオススメね。

――トロンボーンを練習する人たちに上達する実用的ヒントはありますか?
(M)私は、1回にまとめて長くやるよりも、少しずつでもいいから毎日欠かさず練習することが重要なことだと思うわ。あと、楽しんでやること!
(K)やっぱり毎日練習するのがいいと思う。だけど練習する時は必ず十分に休みを取りながらね!

―― 新作『Sings』について一言。
(M)スウェーデンのトップ・ミュージシャンが技術と愛情を注いで作ったアルバムです。素直で温かく素晴らしい作品になったわ!!
(K)古い曲と新しい曲とが新鮮で、スイングするアレンジとともに楽しめる、とてもメロディックなヴォーカル・アルバムよ。全てがスライディング・ハマーズそのもの!

――最後に日本のファンにメッセージをお願いします。
(M)私たちの新作を楽しんでくれますように。そして、いつか日本でコンサートをやりたいわ!
(K) 新作を楽しんでもらえたら嬉しいわ。そして、早く日本に行きたい!!!





2008年04月

ナイジェリア発のソウル・ディーバ、アシャ。祈るような唄声は、羽根をつけて世界へ


ソウル・ディーバ、アシャ

アシャ/デビューアルバム『Asa』
プランクトン/VIVO-102
¥2,625(税込)/2008年4月27日発売


 

 「海を超えて全ての人たちへ
 肌の色など関係ないわ
 みんなお互いを必要としているの」

 シンプルで聞きやすいギターとあたたかな歌声で、まるで当たり前のことのように、世界に向けての祈りをさらりと歌う。ナイジェリア人のシンガーであるアシャは2007年、フランスでCDがリリースされるやいなやヨーロッパ中で大ヒットとなった。フランスのワールドミュージックチャートでは4カ月連続で1位を記録し、ヨーロッパ各国のポップチャートでも上位を獲得。そして日本のiTunes Storeでもワールドミュージックチャート1位、9月には来日公演も予定されている…と、ものすごいスピードで注目を浴びる事となった。“アシャ(Asa)”とは「小さいハヤブサ」を意味する言葉で、彼女のニックネーム。その名の通り、まさに小さい体で駆け抜ける鳥のように、いったい何者なのか?という情報よりも早く、その歌声が世界中を駆け巡ったのだった。
 アシャは、ナイジェリア人の両親のもとパリで生まれ、2歳でナイジェリアに戻って、今もナイジェリアを生活のベースとしている。小さな頃からレコード・コレクターの父親の影響で、マーヴィン・ゲイ、ボブ・マーリー、ニーナ・シモン、アレサ・フランクリンなどのソウル・ミュージックやR&B、ジャズ、レゲエ、そしてフェラ・クティなどのナイジェリア音楽を聴いて育ち、18歳から音楽学校でギターを学びはじめる。土地に根付いた伝統をしっかりと吸収しながら、ジャズやR&B、レゲエの要素を巧みに織り込んでいった…。歌い上げる内容は力強いが、歌声は包み込むようにやさしく人の心の扉を叩く。そんな彼女独自の音楽性はナイジェリアで育まれていった。
 そして2004年にソロアルバムを制作し、2007年に全世界に向けてデビューを果たしたばかりだ。
「私は、美しくポジティブなものが黒い大陸から生まれ出ることを世界に示したい」と語るアシャ。
“しゃべる”ことよりも“歌う”ことが好きで、いつも即興で歌をつくっていたという少女は、しっかりとアフリカの大地に軸を置いて、あたたかく力強く、私達の心が忘れていた何かをそっと思い出させてくれる歌声を持って、世界に向けて飛びはじめた。音楽が持つ、世界を結ぶ力を実感できるアルバムだ。    

文=代田橋郁子




2008年04月

チープ・トリック/リック・ニールセン インタビュー


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 「なにしろ30年前の記憶が鮮明でね。30 年も前のことなのにね。今回の武道館公演の 企画を具体化したのは、俺たちのマネージャ ーさ。あの、武道館でのエキサイティングな 出来事は、バンドにとって本当に忘れられな いことだからね。その思い出を日本のファン と一緒に祝いたいと思ったわけさ。あの武道 館公演から、ちょうど30周年ってことで何 か特別なことをしたいと考えていたことは確 かなんだ。
実は5年前にも、バンド結成25周年記念 コンサートってのを開催していてね。場所は 俺たちの地元、イリノイのロックフォードだ よ。その時の様子は『シルヴァー』ってアル バムに収録してある。25周年を祝ったんだ から30周年を祝うのは当然じゃないかと思 ったのさ。」

 2月中旬、今回の「at武道館AGAIN !」の プロモーションのために急遽、来日したリッ ク・ニールセンは、早口で今月24日に行わ れるat武道館30周年記念コンサートのアイ ディアの源を説明してくれた。

 1978年、当時まだデビュー直後だったチ ープ・トリックの初来日公演、武道館でのコ ンサートのライヴ盤が、その後、奇跡を起こ すことになろうとは誰も予想していなかった。 音楽雑誌「ミュージック・ライフ」の記者と して日本滞在中のバンドに密着取材した私に も、もちろん予想できなかった。
 「君は、あの奇跡が起こる過程を俺たちと 一緒に一部始終、目撃してるんだよな。でも 実は、あのライヴ盤は日本のファンへの俺た ちからのプレゼントみたいなもので、アメリ カ本国で発売する予定はなかったんだよ。そ れがひょんなことでアメリカのラジオ局がオ ンエアしたのをきっかけに、あれよあれよと 話題になって最終的には400万枚ものセール スを記録する大ヒット作になってしまった。」

 結局、あの『at武道館』のヒットでチープ ・トリックは本国、いや世界的にも成功を手 に入れたのだが、実はバンドにとって多少、 やっかいな結果ももたらしたと言う。
 「あのアルバムはコンサートで演奏した曲 の中から、特に日本のファン向けに選曲され ていたんだ。そのせいか俺たちは“ポップ・ バンド“というレッテルを貼られてしまった 面もあった。要するに誤解されちゃったんだ な。俺たちの音楽は、もちろんポップな面も あるけど、もっとヘヴィでハードなロックン ロール・バンドとしての側面もあるんだ。こ の辺を皆に理解してもらうのに苦労したよ」

 とは言え日本での成功を足がかりにして世 界に羽ばたいたのは事実。当時、バンド側は 日本での人気を、どう捉えていたのだろう?
 「日本のことなんて、まるで分からなかっ たし、君みたいな日本の音楽記者が英語を話 すのを聞いて驚いていたくらいさ(笑)。と にかく他の惑星に降り立ったみたいな気分だ ったな。それに日本から来るファン・レター にも漫画とか、可愛いイラストが描かれてい たのも新鮮だった。今じゃ日本の“マンガ” は有名だけどね。食べ物だって今でこそスシ はアメリカでも誰もが食べるけど、初めて日 本で食べた時は“ワオ! このピンクやグリ ーンのフニャフニャした物は何だ??“って 大騒ぎしたんだぜ(爆笑)でも神戸ビーフに は感動したよ、あまりにもおいしくてね。ま、 こんな具合に何も知らなかったんだよ。そう そう、ゴールド・ディスクってのを初めても らったのも日本でだった。感激したよ。あれ から30年、日本のファンとは本当に長い付 き合いだと、つくづく思うよ」

 「at武道館」の成功以降、多くの若手バン ドが「いつかは自分たちもブドーカン」で演 奏したいと言うようになった。
 「そうさ! ブドーカンが俺たちを有名に してくれ、俺たちがブドーカンを有名にした ってことじゃないかな。俺たち以前にもビー トルズやディープ・パープルが武道館で演奏 してるけど、多分、俺たちはブドーカンを日 本のロックの殿堂みたいな場所にする役目を 果たしたんだと思う。」

 こう言ってリックは胸を張った。その武道 館にチープ・トリックが再び帰って来る。24 日の講演を心待ちにしているのはファンだけ じゃない。チープ・トリックの4人も同様だ そうだ。
 「俺たちと一緒に、はじけようぜ!」  これがリックからのメッセージだ。

写真=梁瀬岳志、文=東郷かおる子


  ※4月23日にはチープ・トリックのメンバーのトークとアンプラグドが特別に楽しめる「前夜祭」もあります。詳細はこちら。http://www.hipjpn.co.jp/cheaptrick/news.html




2008年04月

チープ・トリックat武道館AGAIN! 30年ぶりの記念コンサート開催。前夜祭にも注目!


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 近頃、ロック・バンドの寿命って結構、長 いと、つくづく思う。特にロック黄金期の70 年代に登場したバンドの粘り腰には感心する ことしきりだ。チープ・トリックは、そんな バンドのなかでも特に、未だバリバリの現役 感の強いバンドだ。なにしろ一昨年、06年で なんと通算12回も来日しているのだから・・。 そんな彼らの13回目の来日公演が今月に実現 するが、実はこれは通常のコンサートじゃな いってことは耳の早いファンなら先刻、承知 のことと思う。
 今から、ちょうど30年前の1978年に初来 日を果たした彼らが東京の日本武道館で演奏 したのが4月28日と30日だった。このコン サートのライヴ盤「at武道館」が日本発の世 界的な成功をバンドにもたらしたことは有名 な話し。今月24日のコンサートは「at武道 館AGAIN!」と銘打った初来日から30周 年を祝う記念コンサートなのだ。そう、初来 日から30年を経て、思い出の「武道館」に チープ・トリックが帰って来るわけだ。「at 武道館」世代には、懐かしい同窓会になるこ とは必至。80年代以降の比較的、新しいファ ンにだって楽しめること間違いナシ!
 おまけに23日にはメンバーのトークとア ンプラグドが特別に楽しめる「前夜祭」もあ るそうだ。今すぐ応募しよう!(詳しくは↓) http://www.hipjpn.co.jp/cheaptrick/news.html

 

文=東郷かおる子




2008年04月

27歳、ドレッドヘアーの次世代ソウル・シンガー、ライアン・ショウ 現る!


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THIS IS RYAN SHAW/RYAN SHAW
ディス・イズ・ライアン・ショウ/ライアン・ショウ
ビクターエンタテインメント/VICP-64109
¥2,310(税込) 2008年4月23日発売   

 ブラック・アイド・ピーズ、ジョン・レジェンド…次々と実力派アーティストを排出しているDASマネジメントが満を持して放つ新人ライアン・ショウは、“21世紀のオーティス・レディング”と言われる実力派ソウル・シンガーだ。
 1980年ジョージア州生まれ。アメリカンポップス全盛の時代に生まれながら「子供の頃はポップミュージックを聴いてこなかった」と語るライアンの原点は、教会のゴスペル・ミュージック。5歳の頃から歌い始め、兄弟達とグループ活動を続け、大学卒業後のミュージカル出演をきっかけに活動の場をNYへ移す。その後、マーヴィン・ゲイやフォートップスがパフォーマンスを行っていたモータウン・カフェにレギュラー出演するようになり、それまでになかった音楽の知識をぐんぐんと吸収。ゴスペルやモータウンサウンドという枠に捕われず、自分なりの“ソウルミュージック”を身につけていった。
 そして完成したデビューアルバム『THIS IS RYAN SHAW』では、現在グラミー賞ノミネートされているボビー・テイラー&ヴァンクーラヴァーズのカヴァー「I Am Your Man」ほか、ウィルソン・ピケット、ボビー・ウーマック、ジャッキー・ウィルソン…など、60〜70年代の名曲からレア曲まで、カヴァーを中心に選曲、ライアン自身が深く感動し影響を受けた楽曲達を、情熱を持って歌い上げている。また共同プロデューサーにむかえたのは、マドンナやピーター・ガブリエルの作品にも参加しているジミー・ブラロワー。懐かしさの中に、ライアンならではのファンキーなソウルをしっかりと感じさせる作品に仕上がっている。
 沢山の往年の名曲を聞き、「彼ら自身がどれだけ情熱を持ってそれらの曲をパフォーマンスしていたか、という事に気づいた」と語るライアン。偉大なソウルマン達のハートを受け継いだ彼の言葉の答えが、音楽の中に溢れていた。
 グラミー賞の行く末も含めて、今後の活躍から目が離せなくなりそうな新人の登場だ。  

文=代田橋郁子




2008年04月

熊谷隆志や伊賀大介らのマネジメントオフィス“KiKi inc.”の展覧会


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 "KiKi inc."というマネージメントオフィスをご存知だろうか? フォトグラファーにスタイリスト、DJまでも擁するこのオフィスは、ある意味、日本を代表するクリエイター集団とも言える。それも、かなりハイクオリティな。そんな彼らが、4月9日から、六本木に誕生する話題のギャラリー&カフェレストランでグループショーを開催する。
 参加する23人のクリエイターは、まさに一線級で活躍する者ばかり。スタイリストとして数多くの著名人を手がけ、フォトグラファーとしても活動する熊谷隆志。映画「さくらん」のスタイリングで鮮烈な印象を残した伊賀大介。ラフォーレ原宿の広告や椎名林檎らのミュージック・ビジュアルも手がけるヘアメイクアップ・アーティストの小西神士。世界規模で高い評価を得ているDJで、プロデューサーでもある、Fantastic Plastic Machineの田中知之。ほかにも地主晋、河部菜津子、石田賢治、ASASHIなど、名前は知らなくとも、彼らの作品を目にしてきた機会は多いはずだ。
 展示作品としては、過去の代表作はもちろん、外部クリエイターとのコラボ作品や、本展のために制作された新作も。それらはまさに、レギュラーワークでは見られない、真骨頂に達した作品だと言えるだろう。また彼らの私物や秘蔵の品を購入できるフリーマーケットのほか、著名人との親交も深い彼らならではの、特別ゲストを招いたトークショーなども実施される。
 最後に、本展が開催される「ゼル カフェ/ギャラリー」についても触れておこう。アートがキーとなり、大きく街全体が変わりつつある六本木。そこで新たに注目を集めることになりそうなのが、ここ「ゼル カフェ/ギャラリー」だ。これまでのカフェギャラリーとは一線を画し、最先端のアートに触れながら、本格的な料理も楽しめる。営業時間は六本木という街らしく、朝9時半から翌5時まで。シーンごとに使い分けることができるので、アート鑑賞以外にも、さまざまな用途で活躍してくれるはずだ。

「大喜喜展〜KiKi inc. Exhibition 2008〜」
会期:4月9日(水)〜20日(日)
会場:ゼル カフェ/ギャラリー
住所:東京都港区六本木5-10-25 ゼルコート1F
開館時間:11:00〜22:00(カフェレストランは9:30〜29:00)
会期中無休 入館料:無料
お問合せ:03-6406-6378(ラップネット)
HP:http://www.kikiinc.co.jp  

文=野上瑠美子




2008年04月

YouTubeから火がついた驚異のバイオリンライオット、日本上陸!


ナッシン・バット・ストリングス

Thunder/Nuttin' But Stringz
サンダー/ナッシン・バット・ストリングス
期間生産限定盤(CDシングル+DVD)/ SICP-1836〜SICP-1837
¥1,260(税込)
2008年4月23日発売  

 ヒップホップのバックトラックに乗せて、激しくバイオリンをかき鳴らすライブ映像がYouTubeにアップされるやいなや、短期間で膨大なヒット数を記録。一躍全米中の注目を浴びたバイオリン兄弟ユニット、ナッシン・バット・ストリングスが4月、ついに日本デビューを果たす。
 ナッシン・バット・ストリングスは19歳のデイミアンと21歳のトーリーの兄弟二人組。NY、クイーンズ出身の二人は子供の頃からバイオリンを学び、地下鉄の中での演奏などを経て実力をつけていった。そしてストリートで身につけた技術を持ってクラシック音楽の最高学府、ジュリアード音楽院に入学! 本格的にクラシックを学びながら、新人アーティストの登竜門であるアポロ・シアターのステージで今の演奏スタイルを確立し、連勝を遂げる。そして2人のライブを撮影したYouTubeでの映像が膨大なアクセス数を記録。それがきっかけとなり全米ネットのTVでも注目され、ついにはホワイトハウスでブッシュ大統領達の前で演奏!! 大統領ほか、全員総立ちの拍手を受け、大成功を収めた…というなんともNYっ子らしい(?)激しい経歴で、あっという間にメジャーシーンに殴り込んできたのだった。
 ヒップホップやソウルやレゲエとともに、クラシックもお気に入り。JAY-Zもヘンデルもバッハも同じように大好き!と語る彼ら。自分たちのセンスで、音楽の持つ魅力を垣根なく吸収してゆく姿はまさにヒップホップ meets クラシックといえるだろう。
 今回、日本で発売されるデビューシングル“Thunder”では、ナッシン・バット・ストリングスと日本のカリスマダンサー、ISOPP(イソップ)がコラボ! ニューヨークの奇跡と日本のカリスマが合体した異色の仕上がりだ。しっかりとした知識と技術に裏付けされた弦の響きと、ヒップホップのトラックが切り開く新しい世界を体感してほしい。  

文=代田橋郁子




2008年04月

映画監督、富樫森も惚れ込んだ中山うりの唄声が、EPで登場!


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夏祭り鮮やかに/中山うり
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
SICL-199/¥1,835(税込)/2008年4月2日発売
 

 呼吸をする楽器、アコーディオンを自由自在に使いこなす中山うり。
 ジプシースウィング、ミュゼット、タンゴなど世界中のアコーディオン音楽を絶妙にブレンドしたその音楽は、あっという間に注目を集め、昨年はフジロック、サマーソニック、ライジングサンと夏フェスを席捲。一躍音楽シーンに現れ「アコーディオンを抱えたシンデレラ」と呼ばれた。そんな彼女の楽曲が、映画の挿入歌として再び生まれ変わる。
 優しい両親に、ちょっと弱気な息子とおてんばな娘。まぶしいほどの幸せに包まれた4人家族に、娘の突然の死、という不幸が訪れた。残された3人の家族は、失うことによって改めて、太陽のように輝いていた娘の存在の大きさをかみしめる。それぞれに誰とも分かち合えない喪失感を抱え、未来への一歩を踏み出せずにいた……。そんなストーリーの映画『あの空を覚えてる』(4月26日から公開)の富樫森監督は、この家族の心をひとつに結び付けるキーとなる”子守唄”を探していた。そこで出会ったのが中山うりの「月とラクダの夢を見た」と「夏祭り鮮やかに」。楽曲と唄声に惚れ込んだ監督は挿入歌として使用することを決定。しかもBGMとして流すだけでなく、ミュージカルのように父親役の竹野内豊をはじめキャスト達が実際に歌ったり、替え歌にして子供たちが口ずさんだり、と大胆に使用。家族の幸せを象徴するメロディーとして映画の雰囲気を引き立てた。
 そして、この映画のために新しくアレンジされた「夏祭り鮮やかにfilm ver.」やハープの響きが心地よい「月とラクダの夢を見たharp ver.」が収められたEP盤が4月2日にリリースされた。このEPには今までもライブでの演奏で好評を得ている高田渡のカヴァー「生活の柄」、サンバ・カリオカのリズムが軽快な新曲「カーニバルの午後」も収録。
 CDとはまたひと味違ったEP盤ならではの音質で、彼女のミラクルヴォイスと、アコーディオンの息づかいを感じられる一枚になっている。
 また、4月24日からはAKASAKA BLITZを皮切りに四都市ワンマンライブが決定している中山うり。デビュー2年目の快進撃がスタートする。  

文=代田橋郁子


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