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2008年12月

LIVE REPORT~ロックの真髄を見せつけられたザ・フー初の単独来日ツアー


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■The Who Japan Tour 2008

11/13(木) 大阪城ホール

11/14(金) 横浜アリーナ

11/16(日) さいたまスーパーアリーナ

11/17(月) 日本武道館

11/19(水) 日本武道館(追加公演)



【 11/17(月) 日本武道館 SET LIST 】

1. I Can't Explain
2. The Seeker
3. Anyway Anyhow Anywhere
4. Fragments
5. Who Are You
6. Behind Blue Eyes
7. Relay
8. Sister Disco
9. Baba O' Riley
10. Eminence Front
11. 5:15
12. Love Reign O'er Me
13. Won't Get Fooled Again
14. My Generation - Naked Eye
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15. Pinball Wizard
16. Amazing Journey
17. Sparks
18. See Me Feel Me - Listening To You
19. Tea And Theatre


 ザ・フー・ファンにとって悲願だった初の単独来日ツアーが終了してから数週間。まだ生々しい記憶としてライヴの様子を克明に思い出せる反面、何だか総天然色のリアルな夢でも見ていたかのような不思議な感覚に促われたままでいる僕のようなファンも多いに違いない。仕事の都合で大阪には行けなかったが、それでも関東エリアの計4回すべてを観に行ったのは、横浜アリーナのライヴが予想以上に素晴らしく、激しく心を揺さぶられたからだ。

 今ではオリジナル・メンバーが2人しかいないザ・フーのどこがそんなに良いのかと、観ていない人は訝るかも知れない。しかしピート・タウンゼンドがガツンと一発叩くようにコードをカッティングし、ロジャー・ダルトリーが歌い出せば、これがザ・フーなんだという音世界が出現し、瞬時に会場の空気を支配してしまうのは、やはりロックの歴史を作ったオリジネイター特有の強烈なオーラが今も健在だからだろう。

 今回、ライヴを観て改めて感心したのは、ピートもロジャーも他のヴェテラン・ロック・バンドのメンバーと違い、歳を取っても決して角が取れたような洗練とは無縁の粗っぽさを残していたことだ。その粗っぽさは危うさと言い替えてもいいかも知れないが、未だにこれぞロックというスリリングでダイナミズム溢れるサウンドを鳴らしていたのに驚かされた。何しろ横浜アリーナでは、機材の調子が良くないことに苛立ったピートが、スタッフに向かって“クビ”のジェスチャーをするなど、いくら還暦を過ぎようがいったんステージに立てばその場がまるで戦場でもあるかのように殺気立っていたのに、正に“老兵は死なず”の心意気を見た思いがした。

 確かにピートは昔のようにジャンプは出来ず、年齢による体力の衰えを隠せなかったのは事実だ。しかしながら腕を思い切り旋回してギターを弾く本家本元のウィンドミル奏法は、やる度にそれだけで会場が沸くほどカッコ良く、ロジャー・ダルトリーのマイクぶん回しアクションと共に、世界一アグレッシヴでラウドなハード・ロック・バンドだった60~70年代の片鱗を見せてくれたのに胸を熱くしたファンも多かったに違いない。

 今回のツアーでのセット・リストは、別表のように基本的には02年以降の北米ツアー以降、全体的な曲構成にそれほど大きな変化はない。それはデビュー・シングルの01で始まり、初期のナンバーを続けて3曲ほど演奏した後にその時点での新曲を挟み、各時代の人気代表曲を披露しながら、終盤で『四重人格』からのハイライト・ナンバーを2曲、本編最後にキラー・チューンの12と13で盛り上げ、アンコールは『トミー』のダイジェスト・メドレーで再度クライマックスを迎えるという流れだ。

 それだけにジョン・エントウィッスルが急逝した02年の以降は不動のバンド・メンバーと繰り広げる演奏の一体感もさすがだった。因みにバック・メンバーで一番の新顔は名セッション・ベーシスト、ピノ・パラディーノで、それ以外は96年の“QUADROPHENIA TOUR”から参加したザック・スターキー、ピートの弟、サイモン・タウンゼント(g,vo)、そして70年代からサポート・メンバーとして参加しているジョン“ラビット”バウンドリック(key)という気心の知れた顔触れだけに、もうパーマネントなバンドと言って良いほど息が合っていたのも当然だろう。そして今回改めて思ったのは、リンゴ・スターの息子でオアシスの仕事を蹴って参加したザックのドラミングは、キース・ムーンには及ばないまでも、他の誰よりもザ・フーにフィットした最良のドラマーだということで、彼の参加があったからこそ、ザ・フーとしてここまで長い間、活動を続けることが出来たに違いない。そしてそのザックが、確か5歳だったかの誕生日にキース・ムーンからオモチャのドラム・キットをプレゼントされていたという事実に、不思議な因縁を感じないわけにはいかない。

 コンサートの最後、『トミー』からのメドレーで何度目かのクライマックスを迎えてライヴが終わると、しばらく鳴り止まない大歓声に応えながら、アコースティック・ギターを手にしたピートとロジャーが2人だけで歌ったのが19だった。しっとりと厳かに歌い上げられたこの曲のスピリチュアルな響きは、喩えようもなく美しく、讃美歌のように会場に響き渡っていたのが今でも耳から離れない。

「すべてが上手くいっていたのに、一人が失敗したんだ/夢が脱線した瞬間、一人はいなくなり/一人は正気を失い/一人は、そう私/みなが悲しい思いをした/みな悲しいのだから、この肩にもたれていいんだよ/物語もこれで終わる/たくさんの歌が今もくすぶり続けている/僕らはそれを一つになって演奏した/今は歳を取ってしまったけど/みなが悲しみ、自由の身となった/ステージから降りる前に/2人でお茶でも飲まないかい/この会場で2人きりで」(「Tea And Theatre」より)

文=保科好宏




2008年12月

「OFF THE WALL~PINK FLOYD SPIRIT~」が2009年、ついに日本上陸!


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リチャード・ライト追悼公演
OFF THE WALL ~PINK FLOYD SPIRIT~
光と映像とサウンドが織り成すパフォーミングアートの世界!

2009年3月13日(金) 開演 18:30
東京国際フォーラム ホールA

2009年3月14日(土) 開演 18:30
川口総合文化センター リリア

2009年3月15日(日) 開演 13:00/17:00(2回公演)
昭和女子大学人見記念講堂

2009年3月16日(月) 開演 18:30
すみだトリフォニーホール

【チケット料金】
全席指定 \8,800 発売中

【上演時間】
2時間(休憩なし / 開場は開演の30分前)

【お問合せ】
03-3402-9977(テイト・コーポレーション)

【HP】
www.tate.jp/offTheWall/

 今年(2008年)9月15日、ピンク・フロイド・サウンドの要だったキーボード奏者のリチャード・ライトが、癌のため他界した。これによって1968年以降の全盛期の4人によるピンク・フロイドの再結成ツアーの夢は完全に潰えてしまったが、せめてもの救いは2005年7月2日、長い間、確執が伝えられたロジャー・ウォーターズと和解し、一夜限りとは言えチャリティー・イベント“LIVE8”での復活ライヴが実現したことだろう。欲を言えばきりがないが、もしあの時にワールド・ツアーが行われていれば、恐らく音楽史に残る最大スケールのロック・イベントになっていたのは確実なだけに、最後のチャンスを逸してしまったことが残念でならない。

 いくらロジャー・ウォーターズと和解したとは言え、デイヴ・ギルモアはウォーターズを含むバンドでのツアーの可能性については当時から否定的だっただけに、リチャード・ライトが亡くなった今、ピンク・フロイド名義のライヴやツアーが行われる可能性は限りなくゼロに近くなってしまったことだけは間違いないだろう。

 そんな中、ピンク・フロイドの代表作『ザ・ウォール』の発表から丁度30周年を迎える2009年、タイミング良く「OFF THE WALL~PINK FLOYD SPIRIT~」なるコンサート・プロジェクトの初来日公演が決定した。このプロジェクトは流行りのトリビュート・バンドとはひと味違うもので、バンド演奏によってピンク・フロイドの音楽を再現するだけでなく、ピンク・フロイド同様のスペクタクルなステージを丸ごと体験することが出来る大掛かりなライヴ・エンターテインメントというのが最大のポイントだ。

 そのステージの仕掛けとは、膨大な数のヴァリ・ライトやスモークを使用し、本家に負けないスケールのライト・ショーを展開するだけでなく、CGやアート性の高い映像をピンク・フロイドと同じ円形スクリーンに映し出す本格的なもの。その模様を少し離れた場所から見れば、まるでピンク・フロイドのコンサートを観ているかのような錯覚を覚える、新しいタイプのロック・エンターテインメントだ。

 「OFF THE WALL」なるタイトルが付けられたコンサートとは言え、演奏曲は『ザ・ウォール』からだけでなく、『狂気』『炎~あなたがここにいてほしい』からの代表曲をはじめ、今回はリチャード・ライト追悼公演ということで、彼が遺した名曲もセットリストに加えられるというから楽しみだ。

 既にヨーロッパ各国では絶大な人気を誇るショーとして定着しているコンサート・プロジェクトなだけに、ピンク・フロイド・ファンは必見だろう。

文=保科好宏

e-days読者 5組10名様を、「3月13日(金) 開演18:30
東京国際フォーラム ホールA」の公演にご招待!

応募方法等の詳細はコチラ




2008年12月

田名網敬一の作品を再発見できる「COLORFUL」展が開催!


田名網敬一「COLORFUL」展

田名網敬一「COLORFUL」展

田名網敬一「COLORFUL」展

「COLORFUL」
会期:開催中~2008年12月28日
会場:Nanzuka Underground
料金:無料
URL:http://www.nug.jp/

SPECIAL TALK SHOW
田名網敬一×森永博志(editor)
12月20日 18:00-20:00
入場無料
定員50名

 1950年代後半よりアートワークを手掛け、現在も第一線で活躍し続けている田名網敬一。60年代~70年代初めの田名網の代表的な作品を集めた展覧会が渋谷Nanzuka Undergroundで開催されている。

 ベトナム戦争、日米安全保障条約、キューバ危機、安田講堂、オイルショックetc.といった激動の時代背景の中で作られた「NO MORE WAR」シリーズや、モンキーズ、ジェファーソン・エアプレインのジャケットワークなど当時の作品を元に、再構築した最新作品を展示。過去と現在、同じテーマで制作した2つの作品を見比べることができる。

 「ぼくの紆余曲折しながら歩んできた道程をふりかえると、60年代という特別な時代が遥か彼方でいまも鋭い光を放っているのがよくわかる。イラストレーションもアニメーションも実験映画もペインティングも版画も立体もそのすべてが60年代に生みおとされ成熟されたものといってもいい。」

 と言うとおり、ドローイング、ペインティング、立体、映像など、当時から様々な技法を用いて作品を作り続けている田名網が、それらの作品を更に新たな作品へと変化させていく過程を見ることができ、"アートにおける複製"という概念がより顕著に現れている。

 期間は12月28日まで。また12月20日には田名網敬一と森永博志とのスペシャル・トークショーも開催される。田名網作品の過去~現在を一堂に観られる、またとないチャンスになりそうだ。


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