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指弾きギタリストのための“サウンドガジェット”


セシェ・プラス

 ポップス系ギターの場合はピック使用者が多数を占めるが、ギター全体として捉えると話しは違ってくる。クラシックを始めフラメンコ、ラテン、カントリー、フォーク等々、実は指弾きの方が多いのだ。「爪弾く(つまびく)」の言葉通り爪を酷使するのも指弾きの特徴で、爪を守るために付け爪や指用ピックなどが開発されてきたが、自前の爪がベストというプレイヤーも多い。筆者もその1人で、特に10年ほど前にタック・アンドレス(g)から叩く技を伝授されて以降、叩くは擦るはでライヴ一晩で爪が磨耗してペラペラになってしまうのだ。それを防ぐのにマニキュアを塗っていたがこれだと30分も保たないので休憩時間に人目を避けて塗り直す羽目に。なにか良いものはないかと探していたところ、とうとう発見した!
 筆者のよく行くビアバーの常連仲間のある女性が「ギタリストだけでなくプロ野球のピッチャーも使っている」と、そっと教えてくれたのだ。彼女はその道のプロ(ネイル化粧品関係)で、試しに使ってみたところトレビアン!というわけで、この素晴らしいガジェットをご紹介しよう。

文=広瀬眞之




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歪みの美学 その2 BOSSの台頭


BOSS

 ギターサウンドを歪ませるには2つの方法がある。1つは“アンプ直”。アンプに過負荷を直接かけて悲鳴をあげさせることだ。まさにオーバードライブ(入力過多)、2or3ボリューム方式のアンプで可能な方法で、エリック・クラプトン(エフェクター使用のときもあるが)やカーク・ハメット(メタリカ)などの音がその代表格。歪み具合も時代によってかなり変わる。  
2つめはエフェクターをかます方法で、70年代前半にかけてブースターなどの小物が開発されるが、思った程の効果は得られなかった。結果、多くの一般的ギタリストは2つの選択肢を迫られることになる。“アンプ直”が可能な高価なアンプを無理して買うか、グッドな歪みサウンドを出せるエフェクターの登場を渇望するか、である。当然だが後者の方が圧倒的に多かった。
そこで70年代半ばに満を持して登場したのがMXRだった。フェイズとディストーションを相次いで世に出したMXRは、エフェクターの存在意義をそのネーミングとともに決定づけ、サイズも価格もコンパクトにし、貧乏ミュージシャンの救世主となったのである。(とは言っても77年頃「フェイズ100」は確か4万5千円もした、円が弱かったからねぇ...)
 一方、世界初のコーラスCE-1を 76年秋に出した国内メーカーBOSSはMXRに対抗してオーバードライブOD-1を77年に発表。ここにフェイズ、コーラス、ディストーション、オーバードライブというエフェクター4強が勢揃い、以後ギタリストは複数のエフェクター購入を強いられていくこととなる。

文=広瀬眞之




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歪みの美学 その1 MXR以後と以前の世界


 ギターの音色を意識的に歪ませるという行為は一体いつ頃から始まったのだろう。現在のように手軽で完成度の高いエフェクターがまだ登場していなかった時代から、ギタリストは歪みを求めていた。ブルースがまだアンダーグラウンドなジャンルだった頃、ブルースマン達は錆び付いた太い弦にスライドバーを叩き付けるようにしてプレイしていた、もちろんボロボロのアコースティックギターを使って。その激しくも情緒的なプレイは今でも幾つかの貴重な映像記録や録音で確認することができるが、それはまさに元祖歪みギターだ。アンプに負荷をかけて歪ませるよりずっと前に、彼等によってギターの歪みとは“激しく且つ情緒的な音色”と定義付けられたのだ。
 21世紀に入るとデジタル機器の発展でモデリング、シミュレーションタイプがごく普通に使われるようになったが、エフェクターの歴史はあるセンセーショナルなメーカーの登場により、その以前と以後に大きく分けることができる。“MXR”の登場である。写真は筆者が1976〜78年(30年ほど前)に購入したもので、distortion+(その名の通りディストーション)、dyna comp(コンプレッサー)、phase100(フェイズ)という往年の名機達だ。残念ながらdistortion+は回路が過労死、他の2台は今も現役だ。ではなぜ以前と以後なのか、先ずは歪みの美学を探究していくことしによう。

文=広瀬眞之


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