歪みの美学 その2 BOSSの台頭
ギターサウンドを歪ませるには2つの方法がある。1つは“アンプ直”。アンプに過負荷を直接かけて悲鳴をあげさせることだ。まさにオーバードライブ(入力過多)、2or3ボリューム方式のアンプで可能な方法で、エリック・クラプトン(エフェクター使用のときもあるが)やカーク・ハメット(メタリカ)などの音がその代表格。歪み具合も時代によってかなり変わる。
2つめはエフェクターをかます方法で、70年代前半にかけてブースターなどの小物が開発されるが、思った程の効果は得られなかった。結果、多くの一般的ギタリストは2つの選択肢を迫られることになる。“アンプ直”が可能な高価なアンプを無理して買うか、グッドな歪みサウンドを出せるエフェクターの登場を渇望するか、である。当然だが後者の方が圧倒的に多かった。
そこで70年代半ばに満を持して登場したのがMXRだった。フェイズとディストーションを相次いで世に出したMXRは、エフェクターの存在意義をそのネーミングとともに決定づけ、サイズも価格もコンパクトにし、貧乏ミュージシャンの救世主となったのである。(とは言っても77年頃「フェイズ100」は確か4万5千円もした、円が弱かったからねぇ...)
一方、世界初のコーラスCE-1を 76年秋に出した国内メーカーBOSSはMXRに対抗してオーバードライブOD-1を77年に発表。ここにフェイズ、コーラス、ディストーション、オーバードライブというエフェクター4強が勢揃い、以後ギタリストは複数のエフェクター購入を強いられていくこととなる。

