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2008.12.09UP

中学3年、初デートはピエトロ・ジェルミ監督の『鉄道員』

asda_dvd.jpg  中学時代のもう一つの思い出は、遊び仲間とラジオで希望者を募集している試写会に行くことだった。当時はラジオでよく試写会の募集をしていて、クラスの仲間とはがきをたくさん買い込んでは、片っ端から応募していた。5人くらいの仲間で、自分と家族、時には存在しない家族の名前まで書いて応募しまくった。これが結構当たるもので、当たるとみんなしてビデオホールとか、日商ホールとか、ヤマハホールなどへ学校の帰りに観に行った。今はもうどんな映画を観たかは思い出せないが、とにかく試写会へはよく行った。

 そのうちその帰りに銀座で食事をして帰るようになった。誰が見つけたかは忘れたが、多分友人たちの年上の兄弟に聞いたりして行ったのだと思う。今の有楽町の地下鉄の乗り口にあったコックドールというお店の"ダックウッドサンド"。このダックウッドというサンドイッチは、当時の新聞で連載されていたマンガの主人公ブロンディーの旦那さん、ダグウッドが好きなサンドイッチのことで(これも友人のお兄さんに聞いたのだが、どういう訳か僕らはダックウッドサンドと呼んでいた)、そのダグウッドが食べていたのが三段重ねのサンドイッチ。中身は忘れたが、とにかく口に入りきれないくらい分厚いサンドイッチで、当時の中学生にとっては結構高い食べ物だった。だから、そんなにしょっちゅう食べには行け無かったが、僕らにとっては憧れのアメリカンフードだった。

 また、時々は三笠会館というレストランのカレーライスも食べた。ここは、食後にアイスクリームがついているのだが、これが凄くおいしかったので試写会の後よく食べに行った。映画の試写会は学友たちだから当然男同士で行ったのだが、中学も2年を過ぎると、僕らも女の子を意識するようになった。

 そして誰が最初にデートをするかというようなことが話題になる。多分それはちょうどその頃放映され始めたアメリカのホームドラマの影響が大きかったと思う。『パパは何でも知っている』や『うちのママは世界一』が放映されると、僕らは毎週食い入るように見た。僕くらいの世代の人がみんな憧れた大きな冷蔵庫から、これまた大きな牛乳瓶を出してミルクを飲むシーンや、子供たちそれぞれが自分の部屋を持っていて電話で長話をするといったシーン、家の表までスクールバスが迎えに来て、ランチボックスを手に、みんな楽しそうに話しながら学校へ行くなんていうことは、まだまだ日本の標準的な家庭には無かった。だから、僕らはそういうテレビの画面で見たアメリカの生活に憧れたものだった。

 同じ頃、日本でもロカビリーが流行りだして、新聞や週刊誌に出たりして、僕らより少し上の世代はアメリカ並みにダンスパーティーなどに行くようになったのだ。僕の年上の従兄達はその年代だったから、だんだん僕と遊んでくれなくなり、僕自身同じ世代の学友たちとつるんで遊ぶようになった。そうなると話題は、ホームドラマにでてくるアメリカの若者たちがどうしたといったことが中心になり、それをお手本にした格好とか行動をするようになる。

 その中でも僕らの興味を一番ひいたのがデートだった。アメリカだと父親の車を借りたりして、ドライブインへ映画を観に行ったり、ダンスパーティーに行って、その帰りにコーヒーショップへ寄ってハンバーガーを食べる、というのが比較的標準的なデートだとわかった。だが、僕らには車がない、ドライブインがない。でも、コーヒーショップは森永キャンディーストアがあった。多分僕らの仲間はみんな中学の2、3年頃に初デートを経験したのではないかと思う。ただクラスの中にはあまりそういうことに興味がない奴もいたから、僕ら横浜の仲間だけだったのかもしれない。

 僕の初デートは多分中学3年の頃で、ピエトロ・ジェルミ監督の『鉄道員』という映画を観に行って、その後、馬車道の喫茶店でお茶を飲み、伊勢佐木町にあった彼女の家まで送って行ったという比較的標準的なデートだった。ただあまり話し上手でない僕は、なんとか話題を作って彼女の興味をつなぎ止めようと前の日に随分いろいろと考えたのだけど、話題はもっぱら映画のことで終わってしまった。映画もどうして『鉄道員』だったのかは忘れたが、その当時よく観ていた戦争ものよりは、鉄道員の方が良いと思ったのだろう。僕の初デートに観た映画ということもあって、ヒットした『鉄道員』のテーマ曲は今聞いても胸にジーンとくるのであった。


[近況メモ]


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ジェフ・マルダーの自慢の娘、クレア・マルダー& ザ・リーズンズのJapan Tourを
2月にやります。CD「The Movie」も素晴らしかったし、ライブが楽しみです。

Toms cabin http://www.toms-cabin.com/




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麻田浩(ミュージシャン)
1944年、横浜生まれ。63年明治学院大学入学後、マイク眞木、重見康一、渡辺かおる等とMFQモダンフォークカルテットを結成。カレッジフォークを代表する人気バンドとなる。自身の音楽活動のほか、外国人アーティストの招聘やコンサートのプロデュース、日本人アーティストの海外進出を手がけるなど幅広く活躍。プロモーション会社「トムス・キャビン」代表。
【TOM'S CABIN PROMOTIONAL WORKS】 http://www.toms-cabin.com
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