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2010.01.08UP

#113 なおこ(少年ナイフ)「言葉がそんなに通じなくても、音楽で心が通じ合う」

●細かいところまで寸分漏らさず聴きたかった

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――ビートルズを初めて意識して聴いたのはいつくらいですか?

中学生の時に『赤盤(The Beatles / 1962-1966)』と『青盤(The Beatles / 1967-1970)』が出たんです。で、友達が『赤盤』を買って、私が『青盤』を買って交換して聴いたりしてましたね。それまでは、テレビから流れてくる歌謡曲をなんとなく聴いてたくらいだったんですけど。

――ということは、洋楽で初めて買ったアルバムが『青盤』?

そうです。聴いてからはずっとハマって。ステレオのスピーカーに耳をつけたりとか、頭をステレオ・セットの中まで入れて聴いてました(笑)。ビートルズってギターはこっちで歌はこっちとか、右と左のスピーカーで音が振り分けてあるから、それを楽しんで聴いてましたね。その世界に脳みそが入ってました。

――かなり集中して聴いてたんですね。

はい。もう、細かいところまで寸分漏らさず聴きたいと思って。それで『青盤』を買った時に、冊子がオマケについてたんです。緑の表紙のビートルズ・ブックみたいなもので。そこにメンバーの誕生日とか好きな食べ物とか、あとビートルズの結成から解散までのヒストリーであるとか、いろんなことが載ってたんです。それを教科書よりも深く、隅から隅まで読んでました。「リンゴの誕生日は7月7日なんや」とか(笑)。

――すっかりアイドルの追っかけ状態(笑)。

そうですね、まさに(笑)。〈ビートルズ・シネクラブ〉にも入って、厚生年金会館か御堂会館みたいなホールで、ビートルズのライヴ映像とかを見に行きました。その頃、小学生だった妹のアツコ(少年ナイフのオリジナル・メンバー)もビートルズにハマってたんで一緒に行ってましたね。

――じゃあ、女の子っぽく部屋にポスター貼ったりとか?

ああ、してました。レコードを買ったら付いてたようなのとか、シネクラブのイヴェントで当たったやつとか(笑)。ポールがウィングスをはじめた頃はキッスがすごい好きやったからキッスのポスター貼ったり、いっつもジーン・シモンズの似顔絵描いたりしてました(笑)。

――ビートルズの似顔絵は?

アツコのほうがすごくて、学校の美術の時間とかにポールの顔とか描いてたような気がします。高校に入ると油絵の授業があって、ラモーンズのレコードのジャケットを見て油絵を描きました。その頃はウィングスよりラモーンズのほうがアイドルだったから。

――ちなみにビートルズのメンバーでは誰派だったんですか?

ポール・マッカートニーが可愛いなって思いました。ジョン・レノンってカッコいいまではいかなくて。ポールが一番好きでしたね。

――当時、いちばんよく聴いていたアルバムは?

『The Beatles(ホワイト・アルバム)』ですね。最初に『青盤』を買った時は〈初期のほうが良かったかも〉って思ってたんですけど、『青盤』を聴き込んでいくうちに"Strawberry Fields Forever"を気に入ったりして、後期が好きになっていったんです。『ホワイト・アルバム』のなかでは"Glass Onion"とか、ちょっと変わった曲にハマったりしてましたね。『ホワイト・アルバム』は全部好きです、"Revolution 9"以外は(笑)。

――なんで"Revolution 9"はダメなんですか?

ああいうのは嫌いなんです。自己満足の世界だから。

●演奏しながらみんなが歌えるところが好き

――やっぱり、ちゃんとメロディーとかサビがある曲のほうが好きなんですね。

そうですね。やっぱり、メロディーとハーモニーには影響受けたと思います。最初にきっちり素晴らしいハーモニーの曲を体験したのがビートルズだったから。"Nowhere Man"とかだったら、出だしに2つでハモるじゃないですか。ああいうのが「いいなあ」って思うから、少年ナイフでもそういうハーモニーのある曲が多いですけどね。演奏しながらみんなが歌えるっていうのがビートルズの好きなとこですね。

――歌詞についてはいかがですか?

わりと注意深く聴いてました。たいしたことは歌ってないなあ、と思ってましたけど(笑)、〈イチゴ〉とか〈玉ネギ〉とかが歌詞に出てくるセンスはスゴイなあって。

――〈タコ〉とかいろいろありますもんね(笑)。

はいはい。今から考えたら、ただラリッてただけなのかなあ、とも思いますけど(笑)。最近になって歌詞の意味がいいなと思うのは"Let It Be"とかですね。「なるようになる」っていうのが、なんかいいことやなって思います、素直に(笑)。

――これまで少年ナイフは、ニルヴァーナとかラモーンズとか、海外のいろんなバンドと対バンしてきましたが、ビートルズの話で盛り上がったことってありますか?

89年に初めてロサンゼルスにライヴに行ったことがあって、その時にブッキングしてくれたレーベルの人とか、あとレッド・クロスのメンバーとかと一緒に行動してたんですけど、車のなかでみんなでビートルズの歌を歌ったりハモリあったりしましたね。みんなビートルズがものすごく好きだったから。好きな音楽が一緒だったら、言葉がそんなに通じなくてもすごい心が通じ合うんだなって思いました。

――ビートルズの曲ってミュージシャンの共通言語みたいなもんなんですね。

そうですね。何か月か前に5週間ぐらいツアーへ行ってましたけど、その時はドゥービー・ブラザーズとかボストンとかをかけて盛り上がったんです。ちょっとイントロがかかったりすると、「この曲好き!」とか言って歌い出したり、ギター・ソロ弾いたりして。ビートルズに限らず、音楽はほんとに心を繋ぐんやなあって思いますね。

●リヴァプールにあるビートルズ・ショップとの縁

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リヴァプールのビートルズ・ショップで購入した携帯用折りたたみミラー。
『Yellow Submarine』のイラストがお気に入りだそう。

――今回、お持ち頂いたビートルズ・グッズもツアーに関係があるものだとか。

今年(09年)6月にイギリスとヨーロッパのツアーへ行った時にリヴァプールでライヴしたんですけど、その時にビートルズ博物館に行ったんです。1回目は90年代の初期に行って今年は2回目だったんですけど、そこのお土産物屋さんで買った鏡です。この『Yellow Submarine』のイラストがすごい好きで。で、これは拡大鏡と普通の鏡のコンパクトになっててむちゃ可愛いんです。

――ビートルズ博物館のなおこさん的なお薦めポイントは?

ビートルズ博物館も良いんですけど、ビートルズ博物館の近くにビートルズ・ショップがあって、そこがオススメです。そこのお店は今年は行けなかったんですけど、最初に行った時にこんな大きなビートルズのバスタオル、メンバーの顔のイラストが描いてあるのとか、『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』のTシャツとかいろいろ買ったんです。そしたら店員さんがナイフのファンで、めちゃくちゃオマケしてくれたんですよ。

――えっ! 向こうがなおこさんだとわかったんですか?

はい、わかってくれたんです。「あ、あなたは!」って(笑)。今回は残念ながら時間がなくてお店には寄れなかったんですけど、まだその店員さんはわざわざライヴを観に来てくれて、ビートルズのピックをお土産にくれたんです。お店に売ってるやつを「僕から」って。それにすごい感動して。


――ビートルズが繋ぐ縁ですね。

そうですね。今度3回目に行く時は、絶対、ビートルズ・ショップにも寄ろうと思ってます。ナイフのTシャツとかお土産に持って(笑)。

取材・文/村尾泰郎



なおこ
ミュージシャン

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ロックバンド、少年ナイフの中心メンバー。少年ナイフは、1983年にアルバム『Burning Farm』でデビュー。同アルバムは1985年にアメリカのインディー・レーベルからも発売され、欧米インディー界隈で注目の存在となる。1992年には日本・アメリカ・イギリスの3ヵ国でメジャー・デビューを果たし、以降ワールドワイドな活動をコンスタントに続けている。1月6日には14枚目のオリジナル・アルバム『FREE TIME』をリリースした。現在のメンバーは、なおこ(ヴォーカル、ギター)、りつこ(ベース、ヴォーカル)、えつこ(ドラム、ヴォーカル)の3人。


少年ナイフ オフィシャルサイト
http://www.shonenknife.net/

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