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2010.02.22UP

東京は朝の8時の話

ただ今東京は朝の5時55分。まだ外は暗い。
普段はこの時間近くに寝たりするのですが今日は逆。
こんな時間に目が覚めてしまいました。

毎度ばかばかしい話を一席。

先日、事務所に日本のエンジニアの草分けの吉野金次さんからのお手紙と共に
矢野顕子さんの新譜「音楽堂」が届きました。
吉野さんの直筆のお手紙を読む限りお元気そうで何よりです!
吉野さんは言わずもがな日本を代表するエンジニアであります。
前回のはっぴいえんど「風街ろまん」も初期代表作のひとつです。
前回のコラムを書くやいなやのお手紙なので
あまりの偶然にとてもビックリしました。

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吉野さんは2005年の春に突然脳出血で倒れたそうです。
その衝撃はしばらくして僕らの耳にも入ってきました。
その後、吉野さんがリハビリに入った時期に、
そんなさなかの2006年8月28日に、矢野さんの呼びかけで
下北沢のタウンホールで「吉野金次の復帰を願う緊急コンサート」が催されました。
このコンサートやその後のDVDの売り上げは吉野さんの治療費の助けになればと
集まったのはそうそうたる方々。矢野さんをはじめ大貫妙子さんや友部正人氏、
井上陽水氏(DVDには未収録)に佐野元春氏にゆずのふたり。
僕も微力ながら細野さんのバンドで参加させて頂きました。
そう言えばこの歴史的なライブは急遽催された為に
会場もタウンホールが唯一空いていたとかで、
結果圧倒的にキャパが足りず、相当なチケット争奪戦が繰り広げられたとか。
その代わりに本番前のリハーサルも(本番とは別の)お客さんをいれて
正しく「公開リハーサル」をしました。

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細野さんはこの時期から現在に至るまで「公開リハ」という言葉をよく使われます。
その極みは去年の月例「デイジーワールドの集い」のある回でした。
その日はステージに薄いカーテンが引かれていて
その奥でお客さんに背を向けた細野さんがまずは僕らに譜面を渡し、
しばし談笑からはじめ、それぞれのメンバーに指示を出し何度か演奏した後に、
カーテンが引かれ細野さんがお客様の方に向かって挨拶をし
その日の完成形を演奏するという
「リアル公開リハ」あるいは「公開打ち合わせ」(笑)!
そうして一曲演奏し終えると(その間にお客さんは何度も同じ曲を聴くのですが)
またカーテンが戻り別曲に取りかかる!というもの。
結果3曲演奏するのに50分弱。
あの時知ったのはカーテンが閉まっていると
いつも以上にステージが暑いという事でした(笑)。

、、、話が横道にそれました。

吉野さん絡みの「super folk song」ではなくて申し訳ないのですが(笑)、
矢野さんと聞いてすぐに浮かぶのは「ごはんができたよ」です。
(おっ、ここにも三浦光紀さんの名が!パラダイスの回を参照
前回も書いたバイト先でこれまたよく耳にしました。
参加メンバーはYMOのお三方や日本の誇る名ギタリスト大村憲司さん。
そうつまりは第2回ワールドツアー時のYMOの最強布陣!
今だにオフィシャル、ノン・オフィシャル含めて一番聴く、
ライブのYMOは80年頃のこの時期の演奏です。

尊敬する大村憲司さんについてはまたいつか。

そのほんの少し前の名演、にわかにライブ盤とは信じ難いほど
高度な演奏が繰り広げられるのが名作「東京は夜の7時」。
このアルバムは矢野さんのピアノ弾き語りもあれば初期YMOの
圧倒的なスキルによる人力テクノもあって本当に脱帽しっぱなしです(笑)。
山下達郎さんや吉田美奈子さんのコーラス隊も最高!
浜口茂外也さんと幸宏さんのコンビネーションもなんて豪華!
今でこそ当たり前に国外の方とメールや電話でやり取りをしますが、
それ先駆けたかのようなタイトル曲の歌詞感覚もすばらしいですね。
しかし僕は母方が京都で子供の頃からタイガース・ファンですので
ジャイアンツ讃歌「行け柳田」の後半の盛り上がりには思わず、

、、、一緒にシンセパートを口ずさんでしまいます(笑)。

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このアルバムを聴いていると自分が日本に産まれて良かったなと、
東京で音楽人生を送れている事に誇りを持つ事が出来ます。
あの当時、世界で最もホットだったのは間違いなく東京だったんだと。

ただ今、東京は午前8時をまわりました。
外はすっかり日も上り今日という一日が始まります。

僕はというと、そろそろソファーで二度寝の時間でしょうか(笑)。


高田漣

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高田漣(ミュージシャン)
1973年、日本を代表するフォークシンガー・高田渡の長男として生まれる。14歳からギターを始め、17歳で、父親の旧友でもあるシンガーソングライター・西岡恭三のアルバムでセッション・デビューを果たす。現在は、スティール・ギターをはじめとするマルチ弦楽器奏者として細野晴臣、高橋幸宏、ハナレグミ、アン・サリー、畠山美由紀、Human Audio Spongeなどのレコーディングやライヴで活躍中。ソロとしても今までに5枚のアルバムをリリース。2008年には、高橋幸宏、原田知世、高野寛、高田漣、堀江博久、権藤知彦の6人で「pupa」を結成し、デビュー・アルバム『floating pupa』を発表している。同年、崔洋一監督によるショートフィルム「ダイコン」(小泉今日子主演)の音楽を担当。
【official web site】 http://www.tone.jp
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