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 コアなリスナーが音楽としてのモータウン・サウンドに目を向ける一方、不良たちはまた違った価値を認めていた。
 「ダンス・ミュージックとしてのモータウン」というあり方。
 粋な不良たちにとって、それらはダンスフロアに直結した音楽だったのだ。
 コンポラスーツでキメた彼らは並んでステップを踏み、モータウン・サウンドを直接的に楽しんでいた。
 シャネルズ、ラッツ&スターを経たのちソロ・シンガーとして活躍する鈴木雅之氏も、当時のフロアにいたひとり。
 王道のラヴ・ソング・アルバムに仕上がった新作『Still Gold』にも、そのころに得たモータウンの精神性が反映されていると語る。

取材・文/印南敦史 撮影/財津はやと

俺にとってのモータウン・サウンドは、フロアに似合うダンス・ミュージック

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―― 初めて買ったモータウンのレコードはなんでしたか?

12歳のときに買ったスティーヴィー・ワンダーの"太陽のあたる場所(原題:A Place In The Sun)"です。姉の鈴木聖美が聴いてた音楽に、興味を持ちはじめたことがきっかけです。


―― 最初は、モータウンのどこに惹かれましたか?

やっぱり、レコードジャケットのかっこよさですね。テンプテーションズが着てたコンポラスーツは、いまだに自分が着てるのともリンクしてますし。子どものころ素直にかっこいいなって思ったものを、いまでも追い求めているって案外洒落てるでしょ!?


―― 特にどんな人に憧れましたか?

テンプテーションズやフォー・トップスとか、ヴォーカル・グループに対する憧れがすごかったんですよ。グループとしてデビューしたのも、その憧れが影響してると思うんです。


―― 体験がいちばん濃かったのはいつごろですか?

71年から75年ぐらいですね。俺が小学生だった60年代後期は、ブラック・ミュージックっていまほど認知されてなかったんです。そんななか、日本で唯一モータウンの曲を聴けるチャンスがグループサウンズだったんですよ。グループサウンズには、R&Bをやるグループが多かったから。R&B好きなビートルズやローリング・ストーンズがモータウンをカヴァーしてて、それをグループサウンズの人たちが真似して演奏してたから。グループサウンズのバンドがやる"My Girl"をテレビで聴いた瞬間に、「かっこいいな」って思ったりね。

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今年はモータウン50周年でしょう。50年前の1959年っていったら、バレット・ストロングが"Money (That's What I Want)"を歌った年ですよ。だけど、当時はみんなバレット・ストロングの"Money (That's What I Want)"を聴いてたわけじゃなくて、入り口はビートルズのカヴァーでしたからね。マーヴェレッツの"Please Mr. Postman"やミラクルズの"You Really Got A Hold On Me"もそう。そのうちルーツはモータウンだってことがわかってきたんだけど、とっかかりはグループサウンズだから、彼らの功績は大きかったんですよ。もっといえば、ジョン・レノンたちがR&B好きだったことに感謝したりとか。


―― ずばり、モータウンとはどんな存在ですか?

俺にとってはね、間違いなくダンス・ミュージックなんです。高校1年ぐらいからダンスフロア------当時は"踊り場"なんていってましたけど------そういうところで同じステップでみんなで踊ることの楽しみを味わってたんで。


―― 踊りやすい音楽だったと?

聴いた瞬間に"モータウンだ"ってわかる、体にくるビート感があるっていうか。ジェイムス・ジェマーソンのベースやベニー・ベンジャミンのドラムの、"タメ"の妙ですよね。だから俺の根底にあるのは"モータウンはダンス・ミュージック"っていう考え方なんだけど、最終的にはヴォーカリストとしてのマーヴィン・ゲイにたどり着くんです。『What's Going On』の後の『Let's Get It On』や『I Want You』や、デュエットの『Diana & Marvin』を通じて、ヴォーカルの魅力に完璧にやられたんです。


―― アーティストとしてマーヴィンから受けた影響は?

まずね、彼がもともとドラムを叩いてたこと。俺も、最初はドラムだったんですよ。それから歌唱法的なことでいうと、癖がなくてオーソドックスなんです。節をまわしたりしないから、「歌はナチュラルに歌うものだ」っていうことをマーヴィンから教わりました。それに彼は、ムーングロウズの後期に所属してドゥー・ワップをかじってるでしょ。だから多重録音によるコーラスのアンサンブルの根底に、ドゥー・ワップ的なハーモニーを反映してるんですよ。だけど、ピンのヴォーカリストじゃないですか。ドゥー・ワップ・グループ出身だということも含め、自分とすごくリンクするんですよね。

それからスタンス。『What's Going On』みたいに社会的なアルバムをつくったと思ったら、次は愛とセックスをテーマに『Let's Get It On』を出したりさ。しかもその後に『I Want You』ですよ。そのエッチさ加減にヤラれたし、「やっぱり、かっこいいな。もう、この人しかないな」って、すごく思ったんですよね。

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鈴木雅之

1956年生まれ。1980年にシャネルズ(後年、ラッツ&スターに改名)としてメジャーデビュー。1986年にソロへ転向後も、“もう涙はいらない”“恋人”など数々のヒット曲を生み出し続けている。来年2010年にはヴォーカリストとしてのキャリア30周年を迎える。シンガーの鈴木聖美は実姉。

MASAYUKI SUZUKI OFFICIAL WEB SITE

鈴木雅之 official label site

OFFICIAL SITEhttp://www.motown50.com/

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『Still Gold』

発売日:2009年3月4日
品番:ESCL-3172
価格:¥3,059(tax in)

「Still Gold」=「愛し続けること、輝き続けること」をコンセプトにしたニューアルバム。ヴォーカリスト鈴木雅之の29年目の集大成にふさわしく、柳ジョージ、筒美京平、古内東子、佐藤竹善、湯川れい子、松尾潔、松井五郎など豪華作家陣が集って参加している。

本作の発表にともない全国ツアー<- Masayuki Suzuki taste of martini tour 2009 - Still Gold>が決定。4/11(土) 秦野市文化会館を皮切りに19公演が行われる。詳しくは鈴木雅之 official label siteまで。

MOTOWN 50 モータウンの半世紀

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