きくや


昔変わらぬやきとり横丁で感じる懐かしい“ぬくもり”

 新宿駅西口のJR線路に沿ってズラリと建ち並ぶ「やきとり横丁」の中に、ひときわ存在感を放つお店がある。でっかい赤提灯と縄のれん、そして立派な木彫りの看板、ここが「きくや」である。
 店内にはオール手書きのメニューがあって、中には珍しい料理(骨山カルビ)や懐かしい料理(くじらカツ)なども載っていた。もうこれだけで、ビールが飲みたくなる。しかし、今回は創業からの名物である「もつ」をいただいた。
 まず登場したのが「もつ煮込み」。じっくりと煮込まれたもつは甘みがあって口の中でとろりととろける。このお店では和牛の腸を使用している。続いておでましの「もつ焼」も、創業以来継ぎ足しているという濃厚なタレがバッチリしみこんでいて旨かった。もつって旨いんだよね。
 ちなみに、このお店の創業は1952(昭和27)年で、店内には1960年当時のお店の様子を描いた墨絵が飾られている。ベンさんという方が描いたものらしいのだが(隅に“BEN”とサインがある)、この絵には、こんな心あたたまるエピソードがある。
 「1960年のある日、お客さんの靴がボロボロだったのを見て、当時お店で働いていた祖母がそのお客さんに靴をあげたそうです。それが絵を描きながら全国各地を放浪していたベンさんという方だったようで、お礼にこの絵をいただいたと聞いています」とご主人。
 その絵をじっくり眺めつつ、やっぱり昔はいい時代だったのう、などとラガーを飲みながら、しみじみしてしまう私でありました。

きくや

東京都新宿区西新宿1-2-4

03-3342-5928

月〜木・土 15:00〜24:00(L.O.23:30)
金      15:00〜24:30(L.O.23:50)
日      15:00〜23:30(L.O.23:00)

無休

カード使用不可

平均3,000円

JR新宿駅より徒歩3分


名物の「もつ焼」は、かしら、れば、しろ、はつ、てっぽうなど全11種類。塩、たれ、特製づけだれから選べる。さらに「とり焼」や、豚バラ、ラム肉などの「かわり串焼」や「くじらカツ」「くじら刺身」など、お刺身や一品料理なども充実。


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