美うら


神楽坂で過ごす、“粋”な休日

 久しぶりの休日ということで、昼下がりから神楽坂をぶらり散策、そのあと神楽小路という路地にある居酒屋「美うら」を訪れた。
 ここは凄く家庭的で、居心地がいい。店内には懐が深くてあたたかい“みんなのお母さん”的な女将さんがいて、カウンターの上には「きんぴらごぼう」「里芋の煮つけ」「だし焼玉子」など私のなかでの“THE おふくろの味”の面々が大皿に盛られてどっさり。いい匂いを漂わせている。
 この日は、女将さんの故郷である山梨の食材を使った料理をいただいた。まずは「西湖の姫ます南蛮漬」。姫ますは、限られた場所にしか生息しない紅ザケの陸封型。淡水魚なのだが臭みなどはなく、さっぱりとした味わいであった。続いていただいた「砂肝と山椒実煮」は、調味料や山椒などで砂肝をじっくり煮詰めたシンプルなもの。が、山椒の実は、富士山の「2合目」で女将さん自ら摘んできたというから驚く。「途中で山賊料理を作って食べたりしてね…」という“おみやげ話”ならぬ“おつまみ話”も聞けて、ラガーもしみじみ旨いのであった。
 ちなみに、女将さんはとってもアクティブなお方。ひとりで海外旅行をするため現在英会話のレッスンに通っていたり、パソコンのメールも習得したりと、常に新しいことにチャレンジしている。「世の中は楽しいことが身のまわりにあふれているんだから、好奇心があればもっともっと人生が楽しくなるわよ。私は今、毎日が凄く楽しい(笑)」。そんな親身なアドバイスと優しい家庭料理の味わいに、遠く故郷を思い、家族を思い、「明日も仕事がんばっぞ!」という気持ちになれるのであった。
 新宿・神楽坂…。かつて花街として隆盛を誇り、また文芸界の巨匠たちが活動の拠点にした東京屈指の“粋”な街で、昼は花街情緒にふれて“歴史”を学び、夜はラガー片手に“人生”を学ぶ。たまの休日には、そんな“粋ぬき”もいいものである。(粋な感じでまとめてみました)
 ところで、なんで「2合目」なんだろう?

美うら(みうら)

東京都新宿区神楽坂1-14

03-3235-4308

17:00〜4:00(L.O. 3:00).

日曜・祝日

平均3,000円

JR飯田橋駅より徒歩3分


写真は「西湖の姫ます南蛮漬」(550円)、「砂肝と山椒実煮」(450円)、「だし入り厚焼玉子」(600)円。その他、10年かかって完成した自家製のポテトサラダやきんぴらごぼうなど、心あたたまる料理が充実。
※メニューは季節によって多少異なります。

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