きつねや


築地場外市場で味わう「ホルモン丼」

 月に一度は築地に買い出しに行くという“築地ツウ”のカメラマンから、「築地場外市場に毎日行列のできる“ドンブリ”のお店がある」との情報をゲットした。お店の名は「きつねや」。モツ煮がご飯の上にどっさり盛られた「ホルモン丼」がとにかく旨いらしく、なんでも“八丁味噌ベースのタレの中でトロトロに煮込まれたモツの旨みが、ご飯全域に染みこんでいる”というのである。想像しただけでも喉がゴクリとなる。もうダメだ! で、早速築地を訪れた。
 午後12時50分。お店に到着。ウワサ通りの行列である。店前にはグツグツ煮込まれたホルモンのいい匂いが漂い、また、カウンター席(全5席)とステンレス製の立ち食い用テーブルには、ドンブリを勢いよくかき込む人、人、人……。期待も一層高まる。行列の最後尾に並び、ワクワクしながら10分ほど待っただろうか。いよいよ私の順番がきた。迷うことなく「ホルモン丼を!」と注文。すると1分もかからないうちに、素早くご主人が大鍋から大量のモツ煮をすくい上げてドサッとご飯にかけ、その上にネギをのせてドンブリを手渡してくれた。
 アツアツのモツをハフハフしながらムギュッと噛みしめる。旨みが口の中にじんわり。このお店では、牛の小腸(シロ)と肺(フワ)を使用している。シロからタレへと旨みが溶け出し、その旨みをフワが吸収するのだそうだ。  
 「こりゃ旨い!」と夢中でかき込んでいると、カラダが私に「おーい! ビールまだかー?」と問いかけてくる。すぐにラガーをいただく。冷たいラガーが濃厚なモツの味とともに喉へと流れ込み、なんとも“口福”なひとときでありました。
 ちなみに、私が食べ終わる頃になっても、お店には相変わらずの行列が。聞けばご主人は、1日に約300杯もの「ホルモン丼」を作るらしい。休んでいる暇などない。が、決して笑顔を絶やすことはない。私が「凄く楽しそうですね!」と言うと、「私にとっては300杯の中の1杯であっても、お越しいただいたお客さんにとっては大切な1杯ですから。1杯1杯に感謝の気持ちと全神経を注ぐと、自然とこういう顔になるんですよ(笑)」である。
 朝は仕事を終えた魚河岸の人々、昼は会社員や観光客で賑わう築地場外市場。今日もこの場所で、多くの人々が「ホルモン丼」とご主人の“笑顔”に癒されているんでしょうね。「ホルモン丼」とラガー、これまた名コンビでした。

きつねや

東京都中央区築地4-9-12

03-3545-3902

7:00〜14:00
※ご飯がなくなり次第、営業終了となります。

日曜・祝日・休市日

平均900円

カード使用不可

東京メトロ日比谷線築地駅、都営地下鉄大江戸線築地市場駅より徒歩5分


創業以来継ぎ足しの秘伝のタレの中でじっくり煮込まれたホルモンが味わえる老舗。写真は「ホルモン丼」(800円)。「ホルモン煮」(600円)、「ごはん(並)」(220円)と別々にオーダーも可能。その他、「牛丼」「肉どうふ」などのメニューも有り。
※「ホルモン丼」「牛丼」以外のメニューの単品でのご注文は承っておりません。ご飯またはビールと一緒にご注文ください。

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