知る人ぞ知る、しゃぶしゃぶの名店
神宮前にある「しゃぶ膳 紫波」を訪れた。このお店は、表参道のディオールとシャネルの間の細い道を5分ほど奥に進んだところ、つまり、キャットストリートのちょうど裏あたりにある、知る人ぞ知るしゃぶしゃぶの名店である。
このお店では、しゃぶしゃぶに「紫波牛」という岩手県の肉を使用している。聞けば、ご主人の父親が、岩手県紫波町のご出身なのだそうだ。が、だから紫波牛を選んだというワケではない。「しゃぶしゃぶに適した肉を探していて辿りついたのが、たまたま父親の出身地である紫波の肉だったんです。肉質がさっぱりしていて、運命的なものを感じましたね」とご主人。
また、美味しいしゃぶしゃぶへのこだわりは、肉ばかりではない。席につくなり、まずしゃぶしゃぶ用のゴツゴツした巨大な石鍋に驚かされる。なんでも、韓国から取り寄せた石焼ビビンバ用の鍋と同じ素材でできたものらしく、オープン以来、ずっと使い続けているそうだ(直径40センチぐらいあります!)。「この石鍋を使うと、アクがよく浮くので、普通の鍋よりもはるかにスープがきれいです。野菜の茹で上がりも全然ちがいますよ」と。
さて、メニューはというと、「タコしゃぶコース」や「カニしゃぶコース」など、紫波牛のみならずさまざまなしゃぶしゃぶがコースで味わえる。しかも安い!今回いただいた「タコしゃぶコース」は、前菜(2品)、活タコとイカ・ホタテ、野菜盛・揚餅、紫波牛ロース、ソーメン・ザーサイ、そして締めのデザートまでついて5,730円(「カニしゃぶコース」の場合には、活タコが生ズワイになる。値段は同じ)。“しゃぶしゃぶ、ときどき、ラガー”の贅沢なひとときを、かなりの良心価格で味わえるのでございます。
ところで、しゃぶしゃぶというと、肉のあとに野菜、あるいは、肉と野菜が同時に出てくる、というパターンも少なくはないが、このお店では、野菜のあとに肉を出す。「肉を先に出してしまうと、どうしても肉をたくさん食べてしまって、お客様があまり野菜を食べられなくなってしまいますから。お客様の健康のことを考えると、やはり肉ばかりでなく、野菜も食べていただかないと。本当は肉を先に出したほうが儲かるんでしょうけどね(笑)」
ちなみに、このお店ののれんや看板には、メニューや値段はおろか、“しゃぶしゃぶ”という文字すらない。にもかかわらず、予約でいっぱいになるほどの人気を誇るのは、ご主人のお客さんに対する愛情があるからこそだろう。
静かな住宅街にひっそりと佇む「しゃぶ膳紫波」。今日も店内では、カラダもココロも“あったまる”時間が流れているにちがいない。
しゃぶ膳 紫波(しゃぶぜん しわ)
東京都渋谷区神宮前5-17-11
神宮前紫波ビル
03-3400-3381
17:30〜22:00(入店ラスト)
日曜・祝日
平均7,000円
カード ほとんど可
東京メトロ千代田線または副都心線明治神宮前駅より徒歩7分
「タコしゃぶコース」は、写真の活きタコとイカ・ホタテ、紫波牛ロースの他、前菜やソーメン、デザートなどがついて5,730円。その他、「紫波コース」(4,160円)や「北上川コース」(3,760円)、そして贅沢な食材を使用した「特選お二人のコース」(14,030円)などもあり。ご利用の際は、要予約。 ※表記価格には、別途サービス料10%がかかります。