上野で味わう、ふくの幸福
あっという間に、夏休みも残すところあと1日となってしまい(もともと2日間しかなかったんだけどね)、“最後の日ぐらい奮発してめちゃめちゃ旨いものを食べようじゃないか!”という気持ちになった。そこで訪れたのが、東京・上野にある「はちふく」。ここは、冬の“ふくシーズン”のみならず、1年を通して常に美味しい活とらふぐが味わえるお店(このお店では、“ふぐ”のことを“ふく”と表記している)。都内はもちろん、県外にも多くのファンを持つ人気店である。
まずはカウンター席に着席し、メニューを拝見。ふくを使った料理は「ふく天ぷら」(1,980円)や「ふく炭火焼き」(3,180円)、「ふくにぎり寿し」(1,980円)などの一品料理に加え、3種類のコース料理がある。
私は、「はちふくコース」(1人前9,240円)をいただくことにした。
まず「ふく刺し」到着。お皿の絵柄が透き通るほどに薄く切られたふくたちが、弧を描くようにしてキレイに整列している。早速、ひと切れ口の中へ。その薄さ(わずか1ミリ程度!)からは想像もできないほどコリコリとしっかりした歯ごたえがあり、噛みしめるほどに独特の甘みがジワジワ。しかも、飲み込んだあとも、甘い香りが口の中に残る。
さらに、「ふく唐揚げ」「ふくちり」と続き、最後は「ふくちり」にご飯を入れて、「雑炊」にしていただいた。ふくのダシが染みこんでいて、これがたまらなく旨い。無心でハフハフ。で、口の中アツアツ。すぐさまビールにSOS。すると、冷たいラガーが口の中に“清涼のひととき”をもたらす。まさに絶妙なコンビ・プレイ。ふくとラガーの関係の良さを、しみじみ再確認したのでありました。
ちなみに、このお店のこだわりは、“ポン酢”にもあるらしい。聞けば、料理長がオリジナルで調合しているのだそうだ。
「例えば、外で1日中お仕事をされているような方であれば、酸味を少し強くするなどお越しいただいたお客様の年齢やご職業によって、お出しするポン酢の味を微妙に変えています。ふくは、最初から最後までポン酢で味わっていただく料理。すべての方にできるだけ美味しく召し上がっていただきたいですから」と。
料理長はサラッとそう言ってのけたが、これはそうそうできるもんじゃない。経験と知識、そして愛情があってこそ成せる業である。
繊細なふくの風味を活かすための、“繊細”な心遣い。これこそが、季節を問わず多くのお客さんが「はちふく」に訪れる所以なのだろう。
はちふく
東京都台東区上野2-11-2
03-3836-5770
16:30〜23:30(L.O.22:30)
日曜
※10/1〜3/31の期間は無休
平均10,000円
カード ほとんど可
東京メトロ千代田線湯島駅より徒歩2分
東京メトロ銀座線上野広小路駅より徒歩3分
JR御徒町駅または上野駅より徒歩5分
ふくを使った料理を一品料理からコース料理まで幅広くご用意。写真は「はちふくコース」(お一人様9,240円)のメニュー一例。こちらのコースは「ふく刺し」「ふくちり(又は焼きふく)」の他、「ふく湯引き」「ふく唐揚げ」など全8品。ふくの他にも、旬の魚介を使ったさまざまなコースをご用意。個室も完備。 ※写真の「ふくちり」は2名様分、「ふく刺し」は1名様分