あづま


感動! 浅草の「純レバ炒め」

 「ニラレバ炒め」や「豚レバ炒め」などなど、中国料理には“○○レバ炒め”という名作シリーズがあるが、つい先日、私は浅草の「あづま」というお店に、「純レバ炒め」(通称“純レバ”)と呼ばれる料理が存在するという事実を知った。
 “純レバ炒め”……。まずその響きが凄くいい。辞書によれば、“純”とは『偽りのないさま。また、人柄や気持ちがまっすぐなさま』のこと。レバー好きの私にとって、それでなくとも“レバ炒め”は興奮度の高い料理なのに、“偽りがなく人柄や気持ちがまっすぐなレバ炒め”ということになれば、これはもう黙ってはいられない。血が騒ぐ。ということで、その実態を探るべく、浅草へと行ってきました。
 お店の外観は、いかにも“昔ながらの中国料理店”といった雰囲気が漂う、どこか懐かしい佇まい。また、店前には、でっかく『DXラーメン・純レバ』と書かれた看板。どうやら「純レバ炒め」は、このお店においては、私にとっての中国料理界の大スター“ラーメン”と対等に肩を並べるほどの人気メニューのようだ。またまた血が騒ぐ。
 早速、店内に入り「純レバ炒め」を注文。10分と待たないうちに、料理が到着。
 そぎ切りにした鶏レバーとハツをサッと油通しし、しょう油や酒、砂糖などで味付けしたタレとよーく絡めながら炒め、最後にその上から刻みネギと一味唐辛子をどっさり、というのが「純レバ炒め」の全貌であった。
 見た目からすでに“ただものではない”感じは伝わってくるのだが、口にした瞬間、その見た目をもはるかに上回る旨さに感動。まずはレバーのねっとり濃厚な味がジュワーッ、で、そののち、ハツの“コリッ”、ネギの“シャキッ”、唐辛子の“ピリッ”などの”総口撃”が始まる。で、たちまち口内は“ラガー迎え入れ態勢”。たまらず、グビーッといただく。すると、ラガーが口の中の脂を一掃してノドを通過し、さらに食道をまっしぐらに落下。この感じがこたえられない。「純レバ炒め」とラガー、これはとてつもないナイス・コンビでありました。
 ちなみに、このお店には、「純レバ炒め」を求めて北は北海道、南は九州まで、全国各地からお客さんがやってくるという。しかも、中には“レバーは苦手だけど、このお店の「純レバ炒め」は大好き”という人までいるそうだ。「もともと、レバーが嫌いな人でも美味しく食べられる料理を作りたい!と思って考案した料理なんですよ」とご主人は笑顔で語ってくれた。
 「すべてのお客さんに料理を美味しく味わってもらいたい!」というご主人の“純粋”な気持ちから誕生した「あづま」名物「純レバ炒め」。コレはぜひ、みなさんにも味わっていただきたい。

あづま

東京都台東区浅草1-13-4

03-3841-2566

月〜土曜 16:30〜24:00L.O.
日曜・祝日 15:00〜23:00L.O.

水曜(25日前の水・木は連休)

平均2,000円

カード使用不可

首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス線浅草駅より徒歩2分
東京メトロ銀座線浅草駅より徒歩6分


全国各地にファンを持つ、浅草の人気中国料理店。写真の「純レバ炒め」(1,000円)は、看板メニューのひとつ。この「純レバ炒め」をご飯の上にのせた「純レバ丼」(850円)もある。その他、「DXラーメン」(800円)をはじめとした麺類や「チャーハン」(750円)などの飯類、さらに一品料理も充実している。

紀文寿司


浅草で、老舗の江戸前寿司を味わう

 浅草にある「紀文(きぶん)寿司」へ行った。驚くなかれ、このお店の創業は、なんと1903(明治36)年、100年以上の歴史を誇る、浅草でも指折りの老舗江戸前寿司店なのである。
 お店はというと、雷門をくぐって仲見世を歩き、1本目の柳小路を左折したこぢんまりとした通りにある。が、その存在感はハンパじゃない。まず店構え。めちゃめちゃ趣きのある木造の一軒屋で、“古きよき時代”の面影を色濃く残している。さらに、のれんの文字が“司寿文紀”と右から左に書かれていることからも、このお店の長ーい歴史を伺い知ることができる。
 さて、今回訪れたのはランチタイム。お店に入るなり、「いらっしゃいませぇぃ」と、とっても穏やかなご主人が、笑顔で迎えてくれた。
 私は、重厚なひのきの1枚板のカウンターに着席し、まずはメニューを拝見。「寿司」と「ちらし」がそれぞれ<並><上><特上>の3種類ずつ、さらに「鉄火丼」(3,990円)、「鉄火巻」(2,625円)、「のり巻」(1,575円)、「お吸物(はまぐり)」(時価)と続く。そしてその横には『焼魚、煮魚、椀物、おつまみなどご希望に合わせご用意いたします』との文字。
 私は、「上ちらし」(3,360円)をいただくことにした。
 待つこと約12分、「ちらし」到着。直径20センチほどの円形の重箱の中には、それはそれは色つやのよろしいマグロやイカ、タコ、ホタテ、コハダ、アナゴ、カズノコなどといった魚介たちが、すし飯の上に堂々と鎮座しておられる。なんでもこのお店では、魚の脂肪が酸化して味が落ちるのを防ぐため、魚はすべて注文が入ってからおろし始めるらしい(大きな魚の場合には、片身の皮をつけたままにしておいて、使う分だけをそぎ切りにするそうです)。これは、口で言うのはカンタン。しかし実際は大変な作業。さらに、水は約45.5メートルもの深さから良質の地下水を汲み上げて使用していたりと、そのこだわりは細部にまで至る。これらはすべて、“生の魚本来の味を活かす”ためなのだそうだ。なるほど、おそろしく手のかかる作業があってこそ、江戸前の寿司職人だからこその、本当に美味しい魚を味わえるのだなあと、「ちらし」をいただきながら、ラガー片手にしみじみ実感した私でありました。
 ちなみに、私が「さぞ大変でしょうね?」と聞くと、ご主人は笑顔で、「いやいや、遊びでやっていますから(笑)」と。
 聞けば、このお店には、家から1時間以上かけて訪れる常連客も多いという。手間暇かかった仕事があってこそ味わえる、“ホンモノ”の魚の美味しさ、そして、それを“遊び”といってのけるご主人のお人柄。これこそが、多くのお客さんが、はるばる「紀文寿司」に行こう!という“キブン”になる所以なのだろう。
 実は私、「ちらし」の味が忘れられなくて、2週間後にまた食べに行きました。

紀文寿司(きぶんずし)

東京都台東区浅草1-17-10

03-3841-0984

月〜土曜 ランチ12:00〜14:00(L.O.13:30)
ディナー17:00〜21:00(L.O.20:00)
日曜・祝日 12:00〜19:30(L.O.19:00)

水曜

平均7,000円

ほとんど可

東京メトロ銀座線浅草駅より徒歩3分


創業1903(明治36)年、100余年の歴史を誇る老舗中の老舗。魚本来の味を引き出すためには、手間を惜しまない。写真は「上ちらし」(3,360円)。その他、<並>が2,520円、<特上>が3,990円。また、「寿司」は<並>が2,310円、<上>が2,835円、<特上>が3,570円。その他、予算に応じてさまざまな魚料理を楽しませてくれる。

赤とんぼ


夏休みの思い出 in 浅草

 東京都内には、“キラー通り”や“骨董通り”“キャットストリート”などなど、“通称”で親しまれている通りがたくさんあるのだが、つい先日、私は浅草に“煮込み通り”と呼ばれる場所があるという衝撃的なウワサを耳にした。
 煮込み通り……。何という夢とロマンとホルモンに満ちあふれた響きであろう。“煮込みファン”を公言している私としては、一刻も早く現地を表敬訪問せねばなるまい。ということで、2日間いただいた夏休みの初日に、浅草へと行って参りました。 
 17時15分、現地到着。数十軒のお店がズラーッと並び、通りには見渡すかぎりの提灯、提灯、提灯…。さらに、どのお店の軒先にも長テーブルと椅子が配置されている。いわば、“オープンテラス完備”である。しかも、まだ明るい時間帯だというのに、早くも多くのお客さんで大盛況。この光景は、他の場所では“エッ!?”になるが、下町・浅草では見事に“絵”になる。
 さて、私は「赤とんぼ」というお店に入店。まずは看板メニューであり、ラガーの盟友でもある「牛もつ煮込み」と「牛すじ煮込み」を注文。“もつ”の方は味噌ベースで“すじ”の方は醤油ベースなのだが、いずれもめちゃめちゃ具だくさん。“もつ”には噛みしめる喜びがあり、“すじ”にはとろける喜びがある。
 さらに、『絶品!!えっ!?と思ったあなた 一度ご賞味あれ!!』と書かれた「クリームチーズみそ漬」もいただくことに。するとこれが大正解。チーズとみそ、双方が互いの香りを引き立て、さらにビールの味わいをも引き立てる。こちらもまた、今回の浅草訪問の大収穫のひとつでありました。
 ところで、このお店には『地場産品応援の店』と書かれた緑色の提灯が垂れ下がっている。なんでもこれは、国産の食材の使用量が50%を超えるお店で飾られる提灯なのだそうだ。「もつやすじはすべて国産。また、魚は築地や銚子港から直接送ってもらいます。国産食材の値段が高騰していて厳しい時代ですが、お客さんはみんな、僕にとって“大切な人”ですから。自分の子供に出せないような料理は、当然お客さんにも出しませんよ」とご主人。
 聞けばこのお店は、まだオープンして1年と経たないらしい。老舗多き街・浅草の中では、かなり新しいお店である。が、ご主人のそんな心意気が伝わっているのだろう、店内は会社員風のお客さんから家族連れ、さらには外国人観光客まで、常にたくさんのお客さんでにぎわっていた。
 “煮込み通り”にある居酒屋『赤とんぼ』。これから先も、時が経てば経つほどにいろんなお客さんの素敵な“思い出”が染みこんで、ますます味わい深いお店になっていくにちがいない。

赤とんぼ(あかとんぼ)

東京都台東区浅草2-3-16

03-3841-7031

平日15:00〜23:00(L.O.22:30)
土・日曜10:00〜23:00(L.O.22:30)
祝日12:00〜23:00(L.O.22:30)

火曜

平均2,500円

カード使用不可

東京メトロ銀座線浅草駅より徒歩6分


2007年10月31日にオープンした新しいお店。写真は、3カ月間の試行錯誤を重ねた末に完成したという「クリームチーズのみそ漬」(500円)と「牛もつ煮込み」(500円)、「牛すじ煮込み」(550円)。その他、日替わりで仕入れる旬の魚介の刺身や、6時間煮込むという「豚の角煮」(600円)もぜひ味わっていただきたい一品。

飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。
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