恵さき


板前がつくる“おでん”の味

 神楽坂にある「恵さき」は、飯田橋駅から神楽坂通り(早稲田通り)を進み、4本目のほそーい路地を左折し、さらに50メートルほど直進した突きあたりにひっそり佇む、知る人ぞ知る“おでん”が名物のお店。
 ちなみに、今回、なぜこのお店を訪れようと思ったかというと、いわゆる“普通のおでん”じゃなく、割烹料亭や寿司屋で修行を積んだ“板前さんが作るおでん”が味わえると聞いたからである。さらに、老舗多き街・神楽坂に今年の4月にオープンしたばかりのお店でありながら、早くも多くのお客さんで連日賑わっているらしい。ならば、さぞや旨いにちがいない。ということで、私もそんな“板さんのおでん”を味わうべく、早速、神楽坂へ行ってきました。
 店内は、“和”の情緒を醸し出す趣きのある空間。カウンター席が6席、さらに奥にはテーブル席と座敷もある。
 メニューはというと、「厚揚げ」や「がんも」「つみれ」「こんにゃく」といった“レジェンド・オブ・おでん”から、「たまねぎ」「スペアリブ」「はまぐり」などの“変わり種”まで、総勢19種類。値段も180〜500円とやさしいのである。
 今回は、「だいこん」と「スペアリブ」をオーダー。しばらくして、料理到着。まずは「だいこん」。こちらは、60℃の鍋の中で丸1日煮込んでいるらしく、絶妙にダシの味が染みこんでいて、なおかつやわらかい。噛むたびに、だいこんの旨みエキスとダシの味がジュワッ、ジュワッ。
 続いて、「スペアリブ」。これがめちゃめちゃ旨かった。“もち豚”という肉を使用しているらしいのだが、「おでんにはこの豚しか合いません!」とのご主人のお言葉通り、まさにおでんにベスト・マッチ。「なるほど、おでんにはこういう楽しみ方もあったのね!」と、ラガー片手にしみじみとラガーとの相性の良さを痛感したのでありました。
 さらに、ダシは、かつおや昆布、さば、めじかなどなど、7種類の食材からとっているらしい。また、熱の伝導率を均等にするために銅鍋を使用するなど、このお店の“おでん”へのこだわりは凄まじい。が、ご主人は「“こだわり”なんて言えるほどのものじゃありません。素材の味を活かすために、そしてお客様に喜んでいただくために、職人として“当たり前”のことをしているだけですよ」と。
 そんなご主人の“技”と“情熱”が詰まっているのだから、「恵さき」のおでんが美味しいのは“当たり前”である。
 さてさて、日に日に“湯気”が恋しくなるこれからの季節。みなさんも、ぜひ神楽坂で、カラダもココロもあったまるひとときをお過ごしください。

神楽坂 恵さき(かぐらざか えさき)

東京都新宿区神楽坂3-6

03-5228-2971

月〜金曜 17:30〜23:30(L.O.23:00)
土曜 17:00〜23:00(L.O.22:30)

日曜

平均5,000円

ほとんど可

東京メトロ各線飯田橋駅より徒歩3分
JR総武線飯田橋駅西口より徒歩5分




2008年4月にオープンした神楽坂の新店。板前であるご主人の技や知識が詰まった「おでん」の他、日ごとに異なるお刺しみや焼物、さらに定番の一品料理などのメニューも充実。写真は、「季節の天然物お刺しみ盛りあわせ」(1,800円)と「だいこん」(180円)、「スペアリブ」(500円)。

ちょうちん


神楽坂で愛され続ける人気居酒屋

 東京・神楽坂には、“たとえ平日であろうと開店と同時に満席になり、予約をしないと入店は困難”というほどの、めちゃめちゃ人気の居酒屋があるらしい。
 お店の名は「ちょうちん」。神楽坂通り(早稲田通り)からちょっと北に入った、オフィスビルに面した細い路地沿いにある。
 店前に到着するなり、まずは大きな提灯が目に飛び込んでくる。さらに、まだ18時前だというのに、店内(総席数約30席)は早くも満員御礼。ウワサ通りの盛況ぶりである。
 カウンターに着席し、まずはメニューを拝見。「秋刀魚」や「鰹」などの旬の魚介を使った料理から、野菜料理、肉料理、さらに「ビーフシチュー」や「おでん」などの“湯気モーモー”料理まで、豪華なラインナップである。しかも、かなり安い!例えば「おでん」部門は、「なると」「昆布」が100円、「玉子」や「こんにゃく」などが150円、「大根」や「すじ」などが200円、「牛すじ」が250円、そして「しいたけ巻」「シュウマイ巻」が300円。そして、魚介部門は、「生しらす」が350円、「秋刀魚の刺身」が500円、「毛蟹」であっても1杯1,500円(半身なら800円)で味わえる。
 私は、「刺身3品盛り合わせ」を注文。この日は、まぐろ(赤身&中トロ)、大山地鶏のタタキ、そして秋刀魚の3品。聞けば、魚介類はすべて、毎朝ご主人が築地に出向き、実際に自分の目で見て、本当にいいものだけを仕入れてくるのだそうだ。
 さらに、「おでん盛り合わせ」も追加。玉子や大根、すじ、つみれといった“大御所”たちが、それはそれは味が染みこんだご様子で、器の中でゴロゴロとひしめいている。早速、熱々をハフハフ。で、口の中アヂヂッ。すぐさまラガーにご登場いただく。ラガーの最初のひとくちをいただいたときの、なんとも言えない安堵感。この感じがたまらない。やっぱり秋は、おでんとラガーですよね。
 ところで、このお店の創業は、平成元年。オープン当時は、おでんがメインで、現在のように季節毎の食材を使った料理は出していなかったそうだ。
 「オープンして2年ほどで、地元のお客さんが何度もいらしてくださるようになり、そこで、せっかく来ていただけるのなら、来るたびに違った喜びを味わっていただきたいと思ったんです。で、じゃあ、季節ごとの食材を使って日替わりの料理を提供しよう!と。それに、いつも決まった料理だと、自分が飽きちゃうんですよ(笑)。『あれやってみよう!』『今度はこれもやってみよう!』とか、常にいろんなことにチャレンジしていたいんですよ」とご主人。
 美味しい料理やラガーばかりでなく、いつでも前向きなご主人の人柄。それが、お店に活気をもたらし、常に“新鮮”なエネルギーを与えてくるのである。

ちょうちん

東京都新宿区神楽坂3-1 川端ビル1F

03-3268-5253

月〜金曜 17:00〜23:30(L.O.22:30)
土曜 17:00〜23:00(L.O.22:00)

日曜・祝日

平均4,500円

カード使用不可

東京メトロ各線飯田橋駅より徒歩2分
JR総武線飯田橋駅西口より徒歩3分


平成元年創業。オープン当時からの名物である「おでん」をはじめ、ご主人自らが毎朝築地に出向いて仕入れるという新鮮な魚介を使った料理、さらに季節の野菜を使った料理から肉料理までを、手頃な値段で味わえる。写真は、「刺身三品盛り合わせ」「おでん盛り合わせ」「自家製ビーフシチュー」。ご利用の際は、予約が賢明。 
※食材は日によって多少異なります。

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