


サバは庶民の魚である。しめサバ、味噌煮、味噌焼き、塩焼きなどがありますが、好きな人多いんですよね。そして、わりと知られていないのが今回の「味の継承」でご紹介した島根県は宍道湖沿岸あたりの郷土食「サバの塩辛」。サバを塩辛だなんて、ちょっとエグくないかいと引いちゃう方もおられると思いますが、まぁ聞いてください。(サバが苦手な人も少なくない。苦手な人は皮のあたりの脂身が魚臭くてというのが、大概の理由)
イカの塩辛を作ったことがある人はお分かりかもしれませんが、塩辛って、つまりは腑を使い、塩をまぶして瓶のなかに入れて発酵させて作るものなんですが(ちょっと味噌を、また柚子を入れると美味しくなる)、サバの塩辛の場合は内臓を入れるやり方と入れないのがあります。
世の中には臭い料理が好きというクサ好きがいます。日本にはクサヤ、お隣の韓国では「ホンオ・フェ」なんていう魚のエイを瓶に詰めて発酵させる高級料理があります。これはクサヤなんか目じゃない。アンモニア臭いと言いますか、強烈すぎて目はシバシバ、咳き込んじゃう。で、こういう臭い料理がたまらなくとても好きというクサ好きは、サバの塩辛を作るときにサバの内臓も入れることをおすすめします。(もちろん新鮮に限る!)クサヤやホンオ・フェみたいに家内爆臭ということにはなリませんが、相当マニアックな発酵具合をお楽しみいただけると存じます。

では、魚臭いのが苦手な人は塩辛にするとき、サバの皮も取り去り、つまりは身だけにして作るといい。すると魚臭さがなくなって食べやすくなる。もちろんクサ好きには物足りない。ですから、今回はあいだをとって、内臓なし、皮つきとなったわけですが、やっぱり発酵させたものには、ビールが合う。もっと合うのが、炙り。時々、ビールを冷やすのをうっかり忘れちゃう人がいますが、こんなちょっとしたことでオヤジたちは凄くがっかりするものです。ですから冷やし忘れがないかご確認の上、サバの塩辛をしみじみと炙って、熱々の焼きたてを頬ばり、キーンと冷えたラガーをグビっといってくださいませ。