


「ラガー音楽談議」 の取材で訪れた神戸チキンジョージのオーナー児島進さんと、ハナ肇とクレージーキャッツの話になった。「かつてパワーステーションで植木等さんがソロライブをやったときに、自分らもチキンでやりたくて、クレージーキャッツをやるのが夢でした」と児島さん。
児島さんは1960(昭和35)年の生まれだから、クレージーは原体験のなかになる。今では信じられないけど、テレビがやっと家に1台の頃、TV番組「シャボン玉ホリデー」は本当に楽しみにしていた番組だった。(これにうなずいた人、全国で10万人はいると思う。大きくでたよ)
で、マスターは植木等さんに「およびでない、およびでない、こりゃまた失礼いたしました!」のギャグが、どのようにしてできたのか取材したことがあって、そんなことを児島さんに自慢してしまうマスターであった。
「その頃お弟子さんだった小松政夫さんが、植木さんの出番を間違えてしまい、植木さんは、何も疑わず、カメラがまわっているところへ出てしまい、どうも様子が違い、それはとっさに出たフレーズ、生放送だったからね」と。(そのシーンを見ると共演の中尾ミエさんとかが本気で笑っている)
クレージーの話で児島さんと盛り上がるのだが、児島さんは児島さんで「僕は谷啓さんがなんかのドラマの収録しているときに、たまたま友だちが一緒に出ることになって、クレージーキャッツの曲の譜面集を持って行ってサインをもらいました」と言う。「僕も谷啓さんは見かけたことがある」とマスターは返す。このときマスターは急に、そういえばと、博多の夜を思い出すのであった。

それはスナック(飲み放題6000円)でのこと。マスターは20〜30代の女性3名と、初めて会った芸能人は誰か?を話題にしていたところ、長山洋子さん、薬師丸ひろ子さんなどの名が元気にあがった。「わぁ凄い、綺麗だったでしょう!」マスターは負けじと「范文雀さん、青山で」でドーダ!したのだが、ジェネレーションギャップか反応はワザトラの受けで、いまひとつだった。「わたし、井出らっきょさんなんです」と20代の女性がなぜか申し訳なさそうに言う。誰もが実際見たことのある芸能人の思い出は忘れないみたいだ。
児島さんと別れ、新神戸駅から新幹線に乗る。ラガーを飲みながら、そういえば児島さんはチキンジョージにこれまで出演したアーティストにお会いしているわけで、マスターはそんなお方を相手に何で気負ったのか反省する。そして、マスターは、オヤジ世代は「ドーダ!」自慢が多いのではないかと思った。これが「凄いですね、さすがですね」なんて受けたときのビールの旨いこと、旨いこと。御同輩いかがですか? でも本当は「およびでない、およびでない、こりゃまた失礼いたしました!」だったりして。