エグザイルス、
それはロバート・ハリスの生き方
横浜・中華街「聘珍樓 横濱本店」(広東料理)

へいちんろう よこはまほんてん
神奈川県横浜市中区山下町149 中華街大通り
TEL.045-681-3001
OPEN 11:00〜23:00(L.O.22:00)
無休 カードほとんど可
JR京浜東北線「石川町駅」より徒歩5分
みなとみらい線「元町・中華街駅」より徒歩5分
コース料理予算¥4,800〜

 ロバート・ハリスさんは1948(昭和23)年横浜市生まれの作家。最近では「知られざるイタリアへ」「旅に出ろ! ヴァガボンディング・ブック」と立て続けに出版し、また、横浜の60年代を舞台にした初の長編小説にとりかかっている。
 ハリスさんが5歳の頃、家ではフランク・シナトラ、ペリー・コモ、アンディ・ウィリアムスなどのアメリカンスタンダードが流れていたそうだ。
「親父とお袋がそういうのを聴きながら踊っていたんですよ。チークダンスを(笑)。その頃から親父はキリンのラガーを飲んでいて、僕が飲めるようになってから一緒に飲んだりしていました。そのせいか今もビールはラガーかクラシックなんです」
 ハリスさんの父は、ラジオ番組「百万人の英語」などの英語講師だった英国人のジェームズ・B・ハリスさん、母は鶴富美子さん。進取の気性に富んだご夫婦であった。
 ハリスさんは、横浜・元町の近くにあったセント・ジョセフ・インターナショナル・カレッジ(小学校から高校まで)に進む。横浜が持つ独特のメルティングポット的な環境のなかで育った。
「高校のときはバンドホテルやYC&AC(横浜カントリー&アスレティッククラブ)でパーティが開かれてよく行きました。シャペロン(先生の監視)付きでしたけど(笑)。そこにはベース(米軍基地)にいるアメリカ人のバンドやまた、横浜のロックバンドが

出て、僕たちはツイストを踊ったり、 まさしく映画『アメリカン・グラフィティ』のような雰囲気でした」
  今回ハリスさん推薦の「聘珍樓」は、社長の林康弘さんとはセント・ジョセフの同級生であり、アメリカの同じ大学に留学し、寮で暮らしたこともある親友。その林さんは高校生当時横浜では名の知れたロックバンド、ファナティックスで活動していた。
「彼とはよく仲間の家に集まってボブ・ディランやビートルズのアルバムを聴きまくっていました。そのうち横浜ではゴールデン・カップスなんかが出てきたんです。僕もバンドに興味はあったんですが、ただね、ギターは全然やる気がなくて、歌はあんまり上手くなかったですね(笑)」
 高校を卒業するとハリスさんは横浜港から客船でソビエトに渡り、ヨーロッパ、中東、インドと旅をする。そして一度日本に戻り、上智大学に入学。2年通い、林さんとカリフォルニアの大学に留学する。
「林君と一緒にアメリカに着いて、彼のお姉さんの家族が住むLAに2人で厄介になり、そこへ着いた次の日に映画『イージ−ライダー』を見に行きました。映画館のまわりには面白い格好をした連中が並んでいて、それがみんなヒッピーなんですね。映画を見終え、僕が何をしたかというと、まず靴を捨てて裸足で歩いて、ヘッドバンドを買い、皮のサンダルを買ってヒッピーになったんですよ」

 すでにビート・ジェネレーションを代表する作家、ジャック・ケルアックの「ダルマ行者たち」などのビート文学に触れていたハリスさん、「ヒッピーたちはビート・ジェネレーションから思想を得ていたので、ヒッピーたちの考えはすぐに理解できました。当時僕は、ヒッピーたちが好んで聴いていたあらゆる音楽を聴きながらヘンリー・ミラーとかヘルマン・ヘッセとか本もたくさん読んで、そのときに凄く開花されました。文学の道へ進むきっかけですね」。
 その後、日本に戻り上智大学を卒業すると、東南アジアを放浪しバリ島に滞在し、その後オーストラリアへ。シドニーでブックショップ&画廊のエグザイルスを経営するなど16年間滞在する。帰国後FMステーションJ-WAVEのナビゲーターとして活躍し作家活動に入る。
「僕はある時代に固執したくないんです。古いヒッピーにはなりたくないんですね。今、心をゆさぶる音楽が好きだし、行きたいところへ行きたい。自分の足で行って、見て、匂いを嗅いで、それを文学で表現したい」
 若き時代、世界を旅し人々との出会いや、そのつどつどの心情を綴った『エグザイルス』(1997年刊)は、今も若者たちに読み継がれている。エグザイルス、それは放浪者たちを意味するのだが、我々もまた憧れ続ける生き方でもある。


創業120余年。常に“新しさ”を追求する
老舗の中国料理店

推薦人 ロバート・ハリス

 横浜中華街にある『聘珍樓横濱本店』は、1887(明治20)年創業。120年以上もの歴史を誇る、老舗の中国料理店です。
 ちなみに、この『聘珍樓』の社長と僕は、小学校時代からの幼なじみで、もう50年近い付き合い。だから、個人ではもちろん、例えば学生時代のクラス会などといった集まりのときにも、必ずといっていいほど利用させてもらっています(笑)。
 今回は、特に僕が大好きな「飲茶」をいただきました。無菌豚を独自のタレで焼き上げる特製の「本格釜焼きチャーシュー」や、名古屋コーチンを使用した「地鶏のロウスイ(醤油味)煮込み」など、僕にとっては昔から慣れ親しんだものなんですが、何度食べても本当に美味しい。それはこのお店が、味のレベルを維持しようとするのではなく、常に新しい味を追求しているからこそ。
 そして、「飲茶」と言えば、やっぱりビール。僕はビール特有の苦味が好きなので、「飲茶」にラガーは欠かせません。もちろん、「飲茶」以外の料理にもね(笑)。

ロバート ハリス

ロバート ハリス

1948年横浜生まれ。上智大学卒業後、東南アジアを放浪。バリ島に1年滞在したのち、オーストラリアへ。シドニーで書店&画廊「エグザイルス」を経営。帰国後は、ラジオのナビゲーターや作家として活躍している。



CLOSING TIME マスターの独り言

あの街、この街、ラガーのうまいお店

味の継承 郷土料理を自分で作ってみよう!


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