ttle_music09.jpg

2010.02.05UP

博多豪華グルメツアー、ふぐナイト。

さて、お立ち会い。

夢見心地な博多超豪華グルメツアーに行ってきた。1日目はふぐ、2日目はアラを食べるという2泊3日である。

ふぐは知っているけど、アラとは何ぞや。出発前『日本うまいもの辞典』や『味覚辞典』の日本料理をパラパラやったけど、アラのアの字もない。後で知ったのだけど、アラとはクエの地方名で、この魚、不気味な深海魚ではあるけど、超高級魚でもあるらしい。

このグルメツアーは、エッセイストの島地勝彦さんと野村證券OBの徳本満彌さんのふたりが15年来続けているもので、どういうわけか、私が今年、おまけとして連れて行ってもらうことになった。

超豪華だから、飛行機はファーストクラス。国内線のファーストに初めて乗ったけど、驚いたのは、チェックインした後、専用の通路があって、その先にファースト客だけの機内持ち込み手荷物の検査ラインがあったこと。検査が終わったドアの先の目の前にはファーストのラウンジがあった。

福岡空港からタクシーでホテルへ。出撃まで時間があったので、博多初心者の私、地図を片手にひとりでちょっと町歩き。中州の屋台が開店準備をしていた。それにしても飲食店の多さにびっくりした。路地裏にも、外れたところにも、居酒屋だの、ラーメン屋だのがあって、こんなに多くの店が潰れずにやっていける街に底知れぬパワーを感じたのだった。

Graphic1.gif

出撃である。いちばん繁華な中州の飲屋街を通って、ふぐの店に向かう。

Graphic2.jpg

徳本旦那は、20年くらい前、博多の支店長としてこの街に1年暮らしたそうだ。東京に帰る頃には、すっかり博多が好きになっていた。うまいものが集まっている。店が多いから、料理人もよく研究している。魚の鮮度は抜群だし、グルマンの街として、ここにかなう場所はない、と旦那は断言する。

博多の料亭では〈満佐〉がいちばん、鮨屋なら〈川庄〉というような旦那の説明を聞きながら歩く。

ビルが丸ごと1棟、バーやクラブだったり、あるいは1棟丸ごと風俗だったり、極端に歓楽が集中した街だ。

Graphic3.jpg

徳本旦那が連れて行ってくれたのは〈はかた天乃〉という、ビルの3階にある割烹、小料理の小さな店だった。ふぐとアラを得意とし、アラの扱い量はこの店が博多一だろう、と旦那。

Graphic4.jpg

主人の天野重義さんは〈満佐〉で修業をした職人気質の料理人。この人の料理に惚れて徳本旦那、この20年、博多に通い詰めている。店と客の関係はとうに超えていて、東京へ帰る日の朝、料理人が自分の車で迎えに来て、空港まで送ってくれるという特別扱いの客なのだ。

Graphic5.jpg

さて。初日は、ふぐ尽くし。突き出しは、博多名物のガメ煮。筑前煮だね。

Graphic6.jpg

ふぐの作りは、やや厚く切ったものを旦那が所望。薄造りより、ふぐの味がはっきりわかる。滋味が濃いのだ。紅葉下ろしとスダチがついて、ポン酢がかかっている。ここんちのポン酢がうまい。ふぐはポン酢次第だからね。

Graphic7.jpg

ふぐの白子を溶かし込んだ、白子酒。うすら甘くて、濃厚な、シアワセの味。

Graphic8.jpg

白子の焼いたの。私の大好物。たっぷりと、うまかったな。

Graphic9.jpg

箸休め、になるのかな。鯨ベーコン。ほんとは3枚。1枚食べてから、撮り忘れに気が付いた。

Graphic10.jpg

この焼いたの、何だっけかな。フォアグラみたいな。これも濃厚で、うまかった。

Graphic11.jpg

白子のフライ。

Graphic12.jpg

口直しの〈覆面ミカン〉大牟田の産だそうで、これが甘くて、とんでもなくうまいミカンだった。

Graphic13.jpg

そして、徳本旦那特注の卵焼き。これにはきれいな味の鴨頭ネギが山ほどはいっている。

Graphic14.jpg

この外にも、なにかあったと思うけど、思い出せない。ここには書けないものもありました。我々の背後には、幻の焼酎だらけの棚。マッカラン25年なんてのも、あったな。

Graphic15.jpg

しかし、それにしても、だ。なにが豪華といって、料理人に依怙贔屓されて食べるほど、豪勢な体験はない。魚の、選りすぐってうまいところを次から次と食べさせてくれるわけだからね。徳本旦那についてきてよかった。ほんとにうまいものを食べたな、と思いました。
この後〈バー ヒグチ〉でタリスカーを1杯呑んで、気分を変え、

Graphic16.jpg

カロリー取りすぎを医者から禁じられているため、ホテルに戻る徳本旦那と別れ、島地兄とふたり〈八ちゃんラーメン〉へ。ここも徳本旦那の贔屓の店。創業41年という、知る人ぞ知るラーメン屋だ。島地兄は、ここのラーメンが日本一だと思うね、と言っていた。

Graphic17.jpg

島地兄も10年以上通っているので、店のオヤジさんとは顔見知りだ。

Graphic18.jpg

豚骨だけで取った出汁の下にチャーシューが沈んでいる。細麵で75グラムと量は少ない。替え玉はさらに麵が細くなって70グラムだとか。

Graphic19.jpg

これに紅ショウガ、下ろしニンニクを入れて食べる。紅ショウガが濃厚なスープの好い相棒だ。

Graphic20.jpg

替え玉? とんでもない。もうとても喰えません。おかかのおにぎりなら、なんとかなると思うけど。

というわけで、下を向けない状態で車を拾い、ホテルのベッドに直行。(もう、いやぁ、はい、結構です、むにゃむにゃ)朝まで爆睡。

<PREV  NEXT>  

img_profile_music09.gif

立石敏雄
1947年東京生まれ。雑文製造業者。早稲田大学卒業後、絵本の出版社、雑誌『BRUTUS』編集者などを経て、現在は雑誌『Pen』に「笑う食卓」連載中。著書に、雑誌連載をまとめた『笑う食卓』(阪急コミュニケーションズ刊)がある。

tateishibook.jpg
ページ上部へ
新着紹介のRSS ラガー音楽酒場のRSS ラガー音楽酒場 e-days プレゼント&インフォメーションのRSS e-days プレゼント&インフォメーション