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2010.02.26UP

抱擁は小籠包なジャズで猪のスケート

さて、お立ち会い。

カミさんとペドロ・アルモドバル監督の新作『抱擁のかけら』を観に行った。女が濃いペネロペ・クルスじゃなきゃ成立しにくい話だったな。

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アルモドバルとの出会いはスペインに住んでいた20年前、町の公民館(気が向いたときたまに映画がかかる)で『欲望の法則』を観たのが最初。アルモドバルが何者かも知らないまま、ただ映画が観たくて観たんだけど、ストーリーが歪んでいて、ヘンな世界観だけど、おもしろい監督だなと、感じたのを覚えている。スペイン語で字幕がなかった(スペインだから当たり前か)ので、細かいことはよくわからなかったけど、全体はなんとなくわかったのだから、作劇はたしかだった。その後、日本に戻るまでに『バチ当たり修道院の最期』と『神経衰弱ぎりぎりの女たち』を観たんだっけ。TVにはカルメン・マウラなどアルモドバルの女優たちがよく出てきた。

しかし、ハリー・ケインを盲目に設定するところなど、相変わらず冴えているね。

映画の後、赤坂〈上海饅頭店〉(上海小籠包店ではない。前回のブログは間違い)へ地下鉄で駆けつけた。

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ゴルフ仲間月川さんが西麻布〈上海百貨店〉を閉め、新たに赤坂で始めた店。場所は、一ツ木通りの、赤坂サカスの右隣の地下1階とベストなロケーション。元はそば屋があったところだとか。

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メニューを見たら、コースが安かったので、これにした。7品に小籠包6個がついて、豚肉の小籠包だと2940円というんだから、お得感ばりばり。

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現地で、兄貴な石川次郎さん、見た目兄貴な塚野浩資さんと夫人、ビームス遠藤恵司さん、デビアス大島有美子ちゃん、上海から里帰りしている森ビル上海の岸満帆さんと合流、ちょっとした宴会。

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店を出たら、遠藤さんがピアノの伴奏でジャズが歌えるバーに誘ってくれた。まっすぐ帰る塚野さん夫妻と別れ、やはり一ツ木通りにある〈リトル・マヌエラ〉へ。ここで遠藤さんの『On the slowboat to china』ともう1曲、聞かされた。堅太りの体から出てくる声はソフトで、なかなかうまいもんだった。

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店名のマヌエラというのは、戦前から戦中にかけ、上海のフランス租界で国籍不詳のダンサーとして有名だった日本人女性の名前。このマヌエラさんが戦後、内幸町にナイトクラブ〈マヌエラ〉を開き、そこに集まっていた人たちが往時を懐かしんで開いたのが、この〈リトル・マヌエラ〉らしい。

この店では、ジャズボーカルのレッスンをしてくれる。カミさんが乗り気になっていたけど、何唄うつもりかね。母親が音楽の教師で、ガキの頃からピアノ弾いてたのに、なんか音痴っぽいんだよね。『Dream a little dream of me』なんての、唄えるもんなら唄ってほしいけど。

さて一昨日、生まれて初めて猪を喰った。猪年なので、共食い。

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これが予想外にうまかった。兄貴なジローさん、見た目兄貴な塚野さんとカッシーナ木村さんの親父4人の会食。まわりはすべて、どういうわけかアベックばかりだった。店は西麻布〈またぎ〉。

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ここの親父がモーガン・フリーマン似の鉄砲撃ちで、三浦半島などの山で撃った獲物を喰わせてくれるとはジローさんの前説。たしかにガタイが良くて、モーガン・フリーマンみたいだけど、顔は映画『フロスト×ニクソン』でニクソンをやったフランク・ランジェラに似ていると私、思いました。左が鉄砲撃ち大島衛さん、感じでしょ。右は塚野さん。

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猪がうまかった。金目鯛の炙ったのとか、イカ焼きとか、地鶏焼きとか、鹿の刺身も喰ったけど、とにかく猪に感激した。臭みがまるでなくて、かなりうまい豚肉という感じ。今度来るときは、猪の焼き肉3150円の後、

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猪鍋2630円で、締めは雑炊だな、と食べながら計画を立てたくらい、うまかった。

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昼寝を我慢して、ライブで日中、真央ちゃんとキム・ヨナのSP見ておいてよかった。もう何も喰えませんだったから、速攻でうち帰って寝床直行、瞬間爆睡。

そして本日、女子フィギュアのフリー。真央ちゃんとキムちゃんがどちらも失敗なく滑って、競ってほしいと思った。真央ちゃんの輝きはじける笑顔が見たかった。カーリングも負けちゃったし、もう思い残すことはないので、おじさんーー寝る。

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立石敏雄
1947年東京生まれ。雑文製造業者。早稲田大学卒業後、絵本の出版社、雑誌『BRUTUS』編集者などを経て、現在は雑誌『Pen』に「笑う食卓」連載中。著書に、雑誌連載をまとめた『笑う食卓』(阪急コミュニケーションズ刊)がある。

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