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 日本のロック/フュージョン界を代表するギタリスト、高中正義。7月22日に、5年ぶりとなるオリジナル・アルバム『夏道(なつどう)』をリリースしたが、そのジャケットを飾るのは、なんとギターに鉄道ジオラマを施した〈ジオラマ・ギター〉。9月26日からスタートしたコンサート・ツアーでも、このギターを弾く高中の姿がお目見えする。もともと物作りが好きだった高中は、以前にも2本の改造ギター及びジオラマ・ギターを制作しているが、現在に至るまでの経緯を語ってもらった。

取材・文章:井桁学/写真:神ノ川智早

ギターを弾く自分を囲むように電車を走らせたい

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──そもそも、鉄道ジオラマにはいつごろから興味を持ち、作り始められたのですか?


小さいころから鉄道が好きだったし、プラモデルを組み立てたりすることも好きだったんです。だから、中学生くらいから鉄道ジオラマを作ってみたいなあとは思ってたんだけど、その頃は願望だけでした。でも、それから何十年も経って、2年ぐらい前にNHKの「趣味悠々」というテレビ番組で、模型作家の諸星昭弘さんと、俳優の三波豊和さんが2人で鉄道ジオラマを作っていたのを見たんです。じゃあ、僕も子どもと一緒に夏休みにジオラマを作ろうと思って、線路を好きな角度に曲げられるフレキシブル・レールというものを買ってみて。でも、レールが均一に曲がらなかったり、なかなか難しいんですよ。結局は夏休み中に全部完成しなくて、そのまま軽井沢の自宅に放置されてます(笑)。


──その後、ギターの上に鉄道ジオラマを作ろうと思ったのは?


去年のはじめに、テレビでドブロ・ギター=ハワイアン・スチール・ギターを見たのがキッカケで、フェンダーのリゾネイター・ギターを購入して。そのギターは、ひざの上に平に乗せて弾くんだけど、ボリュームのツマミをパイナップルの形にしたいなと思ったんですよ。でも、そんなパイナップルのツマミがどこに売っているかわからないし(笑)、自分で作ってもまた途中でやめちゃうしなって考えていたら、「趣味悠々」に出ていた諸星さんを思い出した。それでホームページを調べて直接メールを出したんです。「はじめまして、ギタリストの高中正義と申します。ギターに付ける鉄道模型のジオラマを作っていただけないでしょうか」って。そしたら「喜んで作らせてもらいます」と返事が来た。それが去年の夏ぐらいかな。


──では、そのフェンダーのリゾネイター・ギターを諸星さんに依頼して完成したのがジオラマ・ギターの1号機ですね?


そうです。実際、去年の日比谷野外音楽堂で行った〈SUPER LIVE 2008"南西風"〉で使いました。ライヴDVDにも収録されていますが、電車を走らせながら曲を弾くシーンが見られますよ(笑)。


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──そして今年は、エレキ・ギターに鉄道ジオラマを施した、と(笑)。


そうそう。1号機にはギターに穴を空けて電車を通すことができなかったから、今度はエレキ・ギターでやってみようと思って(笑)。本当に穴を空けてトンネルを掘って通す......ということを、また諸星さんにお願いして作ってもらいました(笑)。


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──しかも、高中さん仕様のモデルであるフェンダー・カスタムショップ製の高中ストラトキャスターに、ですよね?


そう。穴を開けたのは諸星さんなんだけど、けっこう勇気が要ったみたいですね(笑)。これは今年の6月ぐらいに完成したんだけど、今後はその穴の後ろからまた直径5メートルぐらいの円形に線路を延長して、僕の体を囲むようにして、そこに電車を走らせようと思っていて(笑)。アルバム『虹伝説/THE RAINBOW GOBLINS』(1981年)を作ったときに触発された「虹の谷」という絵本があるんですけど、その何ページ目かにサンセット・ヴァレーという、虹がキレイに出る夕焼けの谷が出てくるんです。そのジオラマを線路の途中に作ったら面白いんじゃないかと思って。でも、そうなるとギターを固定しなきゃいけないし、その巨大なセットの中に僕自身が入り込んでギターを弾くしかない(笑)。いつか実現できたらいいなあと思っています。


──実際に弾いてみた感触はいかがですか?


作るときに、「演奏に邪魔な部分にはジオラマを施さないでください」と言っていたので、ぎりぎりのところでちゃんと弾けてますよ。右腕を置く位置には何もしないで、それ以外の場所に家とかを作ってもらったという。まあ、確かに弾けるんだけど、すごく窮屈な思いはするよね(笑)。右手をガッと上げちゃいけないし......家とかヤシの木が落っこちちゃうから(笑)。でもいま、YMOのプログラマーをやっていた松武秀樹さんとアルバムを作っているんですけど、最近、このジオラマ・ギターにすごく興味を示し始めて、シンセサイザーに電車を走らせたいと言いだしたんです(笑)。もしかすると、あと何か月後かにシンセサイザーに電飾がついて電車が走っているのを見られるかもしれない(笑)。

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高中正義

1953年、東京都出身。71年にプロ・ミュージシャンとしてのキャリアをスタート。72年、サディスティック・ミカ・バンドにギタリストとして参加し、76年にはソロ・デビュー。特に81年にリリースした『虹伝説』は代表作であり、日本インスト音楽史に残るアルバムとして大きな反響を呼んだ。
2000年からは自身のレーベル〈Lagoon Records〉より作品をリリース。2006年には木村カエラのヴォーカリスト就任も話題を集めたサディスティック・ミカ・バンドの再々結成に参加。バハマに永住権を持っているが、現在は軽井沢に住んで音楽活動を続けている。

OFFICIAL SITEhttp://www.takanaka.com/

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『夏道』

2009年7月22日発売
LAG-0010
¥3,000(税込)

来年にはミュージシャン生活40周年を迎える永遠のギター小僧、高中正義による5年振り/通算28枚目のオリジナル・アルバム。
元祖・夏男のTAKANAKAが帰ってきた!!
趣味が高じて、鉄道模型ジオラマとストラトキャスターの奇跡!?のコラボレーションも実現。世界初、前代未聞の〈ジオラマ・ギター〉が完成。レコーディングにも大活躍!

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