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01│菱沼孝之さん(日本料理「菱沼」オーナー料理長)

 昨年末に発行され、大きな話題を呼んだ『ミシュランガイド東京版』。星の数でレストランを評価するというグルメ必携のガイドブックだが、この本で見事2つ星を獲得したのが、日本料理「菱沼」。オーナーシェフとして腕を振るう菱沼孝之さんは、「確かに問い合わせの電話は増えましたけど、忙しさは前とそれほど変わりませんよ」と淡々。こちらが気の抜けるほどといったら言いすぎだが、実にマイペースというか、いちいち過剰に反応しない姿は、まさに紳士なのである。

 そんな菱沼さんが愛用する時計は、機械式を中心に10本ほど。「特に意識していなかったけど、気づいたら腕時計のコレクションができていた」と、こちらも何気ない。
 とは言え、丸型、角型、クロノグラフと多様に揃っており、シチュエーションによってどの時計にするのかを決めるそうだ。
 「10歳と5歳の娘がいるので、彼女たちと遊ぶときはオメガの『スピードマスター』がほとんど。結構乱暴に扱うのでベルトがぼろぼろになってしまいました。出掛ける場合も、カジュアルな服装のときはカルティエの『パシャ』やエルメスのクロノグラフ。フォーマルな席には薄型のドレスウォッチを合わせます」
 また板場に立つときは、腕時計を含めて金属を身につけることはご法度。だから、時計をつけることでオン・オフが切り替わるという。
 「時刻を知るだけならケータイでも済む時代ですが、腕時計にはそれ以上の付加価値があると思います。例えばパーティーなどのハレの場所に、カルティエなどのエレガントな高級時計をつけて行くと晴れやかな気分がいっそう盛り上がるんですよ」

 ちなみにここ数年、人気を集めているラージサイズケースの時計には「興味がない」とさらり。
 「時計は靴や鞄などとともに男性にとっての嗜好品であり、その人の趣味やステイタスを表すもの。どんな腕時計を身につけるかで、センスが問われるし、ライフスタイルまで想像ができますよね。ですから、僕は本当に自分自身に合った時計を選ぶことを大切にしています。大きくて分厚いモデルは僕には似合わないでしょう? ひとことで言えば、“シンプル・イズ・ベスト”な時計が好きですね」
 次に購入しようと思っている時計も、エレガントなカルティエの角型だという。
 「ブレスレット仕様の薄型のモデルで欲しいのがあるんです。でも、2つ星記念なんて考えてないですよ。時機が来たら、妻に相談して……と思っています(笑)」

取材・文/遠藤和呼




菱沼孝之(ひしぬま・たかゆき)
日本料理「菱沼」オーナー料理長
1956年生まれ。85年、日本料理「菱沼」を開業。テレビ・雑誌などへの出演も多数。著書に『子供と一緒にメシ炊け! だしとれ! 食育道場』(主婦と生活社)などがある。

日本料理「菱沼」
住所/東京都港区六本木5-17-1 アクシスビルB1 予約Tel/03-3568-6588 営業時間/ランチ11:30〜14:00、夜17:30〜23:00 定休日/日曜・祝日(予約があれば営業)

1│エルメス「クリッパー」とオメガ「スピードマスター」のクロノグラフに、ジャガー・ルクルト「レベルソ」とティファニーの角型のシンプルな3針時計。2│「パシャ」を始めとしたカルティエの腕時計コレクション。「シンプルでデザインも優れた時計が好き。その結果、カルティエが多く集まっちゃいましたね。妻も好きなブランドなのでペアウォッチ(中央の「タンク」)も購入。フォーマルな席にも安心して着用できます」。3│開業20年目の2005年に、三田から六本木に移転。ビルの地下1階にあるが、入り口から段差がまったくないバリアフリーが大きな特徴。「この店で過ごすひと時を楽しんでいただきたいと思っています。お子様用メニューもあるのでご家族での来店も大歓迎です」とのこと。


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